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親子の再会



「――あの頃と変わらずずっと柚香先輩が好きだよ」

そう言って、ナルは抱きしめてくれた。

優しく、でもとっても強く......






ナル....ごめん。

どうしようもなくあんたの想いに胸がかきむしられて

心が揺れて、あの時動けなくなってた。

それは本当の気持ち.....





「蜜柑ちゃんと三人で

一緒に暮らそう

二人を守りたい....ずっと....」

そのあと塞がれた唇。

温かかった。

緊迫した状況で張り詰めていた緊張が、少し抜けた気がした。

ナル....あんたは本当に、大人になったね。






怖くてたまらない。

大事な人をこの運命にひきずりこんでしまう自分が.......

ナル、許して。

あんたとは行けない。

好きよナル...

昔と変わらず私も....

だからもう______






柚香は、薬で眠る鳴海を1人残してその場を立ち去った。









「もうそろそろ月光の時間ね....鍵穴の場所に行かないと」

本部の某部屋に、月はいた。

「月様、顔色が....これ以上アリスを使われない方が....」

風紀隊の1人が言った。

「うるさいわね」

ぴしゃりと月は言い放つ。

「私の心配するよりあなたたちは自分のやるべきことをやったらどうなの!?

東雲 詩の捕獲には失敗しておまけに危力系が寝返っただなんて。

初校長に顔向けできないわ!」

「す、すいません....」

風紀隊は小さくなって言った。

「で、でも、東雲 詩にはもう余力は残っていません。

これ以上脅威になるようなことは....」

「まぁ...それもそうだけど」

月はふと、考えるように言った。

「どうかしたんですか?」

「別に....ただ、あのこ....東雲 詩も、私とは同類だと思っていたのに。

なんであのこだけ....」

何で私にだけ、光は降り注がなかったの....

月は歯軋りした。

そして、1ヶ月前のことを思い出す。

あれは、詩が長期任務で学園を出る夜のことだった。









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