このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

兄妹/奇跡



強く、強く、願った時だった......





―...る

たる....

ほたる....






優しく、でも切ないようなこの声。

これは.....今井くんの心の声?





辛い思いをさせてしまって.....

すまない.....

一から兄妹をやり直そう

蛍のことは、僕が守る....





響いてくる。

伝わってくる。

本当の気持ち。

あの時、蜜柑に入れてもらったあの石。

これは......テレパシーのアリスだろうか。

読心術のアリスだろうか。

そんなこと、今はどちらでもよかった。

早く、早くこれを伝えなければ。

蛍ちゃんに......

「##NAME2##、どうした?」

ボーッとしてたのか、櫻野くんに声をかけられる。

しかし私は櫻野くんには答えず、まっすぐ蛍ちゃんを見た。

「蛍ちゃん!

あなたのお兄さんはわかってる。

あなたが今、ここにいることをわかってる。

心の底では伝えたいことがまだたくさんあって.....

あなたを守りたいと強く、強く.....!」

―ッ

蛍は、兄のもとへと走り出した。

櫻野と、神野がとめるのも聞かずに。

「おい、##NAME2##

どういうことだ?!」

神野が言う。

「いいんです。

多分これで。

今、私にできること.....蛍ちゃんに伝えること。

蛍ちゃんならきっと、奇跡を起こしてくれる.....

なんだかそんな気がして、たまらないの....っ」

櫻野がはっとする。

「##NAME2##、もしかして君は僕のアリスを.....?」

そう、これはテレパシーと直感のアリス。

櫻野のアリスだ。

偶然にも、詩と同じアリスが入っていたのだ。

―でもこれは、##NAME1##の強い思いで発動したアリス。

櫻野にはそう思えた。

自分よりもはるかに強い思いがはたらいて......

櫻野は今、アリスの可能性を強く感じた。

その後、##NAME1##の思いが届いたのか、操られたままで昴は、蛍の傷を治していた。

そしてまた、ここでも強い思いがはたらいてアリスが発動した。

蛍の中に入った、蜜柑のお母さんの盗みのアリス。

蜜柑、あんたのアリスは誰よりも素敵な力....

ありがとう。

結局最後の救いは、やっぱり蜜柑のアリスだった。

過去でも今でも、そのアリスはたくさんの人を救える。

その、明るい心と共に......





「蛍、何泣いてる....?」





「秘密です」








アリスは美しい。

だってこんなにもたくさんの奇跡を生み出すのだから。

こんなに素敵な力を、汚す存在は許せない___________




.
6/6ページ
スキ