いびつな絆
「間違えないで、ペルソナ……
行平先生はあの最後の時、あなたを責めて顧みなかったわけじゃない……
逝く間際、一人残してきた愛する人を心配して、その思いが彼女に向かっただけ……
あなたがあの時悪くなかったこと……先生が一番よく分かってる」
もう、___あなたは気付いてるはずなのに....
「目を覚まして....
初校長はそんな深く傷ついたあなたを、利用してるだけ......
あなたに都合のいい言葉を与えて、更なる闇に突き落としただけ」
思い出して.....
あなたはちゃんと、愛されてた人だってこと.....
先生からの想いは、憐れみだけじゃなかったはず.......
「私には、行平先生の無念がよく分かる.....
あの状態のあなたを置いて、志半ば、あなたをずっと導いていくことが出来なかった
一人闇へと歩かせてしまうことになった先生の悔しさが.....」
「だまれ...!!
よくもそこまで分かったような口を.....」
「分かるわ...!」
「だまれ」
瘴気が、またのばらを襲った。
しかしのばらは、いまだペルソナに訴えかける。
「あなたはやさしい人......
ただいつも....やさしくする方法が分からないだけ.....」
「うるさいだまれ!」
ぐっと瘴気が濃くなり、のばらを締め付ける。
「のばらちゃん!」
ドームの外でルイが叫ぶ。
そこにはいつのまにか、颯と陽一もいた。
陽一が何かを察し、来てみたらこの通り。
.....のばらはとうとう、その場へ倒れた。
それでものばらは、ペルソナの傍に寄り添った。
ペルソナ、私はまだ、信じてる........
先生がずっと、信じ続けたように....
___もう、逃げないで。
自分の心の痛みから____
「ペルソナ.....私がいます.......
ずっと....おそばに」
先生のように.....枯れたお花のように、私は、
死ぬわけにはいかない......
あの時のように、あなたをまた一人にしてしまう........
深く傷ついて、もう、何も感じなくなるくらい.......
「―触るな」
「僕に触るな
触ったらお前は僕みたいに......っ」
「あったかいね......」
そう言って、のばらはペルソナの手をとった。
「お前は.....
何故、私にこんな事をさせる.....っ
何故、こんな思いにさせる....っ」
....私は生きて、先生の出来なかったことを.......
あなたに、自分を....アリスを愛せるように、
そして、人を守る気持ちをもう一度、呼びさませるように..........
「ずっとおそばに.....
あなたの罪も何もかも.....一緒に.....」
.....ずっと一緒に背負って.......
....思い出して、愛されていたこと.......
心の痛みからもう、目をそらさないで.....
「う....ぐ.....うあ.....う.....
うわあああああああああああ....」
「ペルソナ....っ」
ペルソナはうめき声とともに、自分の瘴気をまとい、倒れた。
のばらのそばに、寄り添うように.......
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