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いびつな絆



「先生」

「先生 ごめんなさい」

「先生...っ」

「返事してよ....」

「僕をみてよ....」





先生....





僕は何のために生まれてきたのか....

何故こんなアリスをもっているのか....






―いっそ....出会わなければ.....

光も…

あなたの温もりも知らないままでいられたら

闇の暗さにも気付かないで…

私はこの宿命を淡々と受け入れられたんだ

先生…

簡単に手を差しのべられて

そしてあの日…

その手は僕を拒絶した

なまじ与えられたあなたの愛情のために

僕がどれだけあの後

誰からも温もりを与えられることのない存在という現実に

うちのめされ苦しんできたか

あなたに分かるだろうか

初校長の垂らした糸に

すがるしかなかった僕の孤独が......





「―7名、見つかりました

それと、東堂さんから

〝東雲詩の捕獲に失敗した〟

との連絡が....

しかし、佐倉蜜柑の例のアリスにより大量の式神のアリスが石となり

そのアリスを放置して逃亡したと....

東雲詩と、一緒に逃げているとみられる結界のアリスの##NAME2## ##NAME1##の行方は未だわかっておりません.....」







「かまわない

まずはその7名を追う

詩の中にアリスが無いのならばこちらには無害に等しい。

本人も虫の息だろう。

しかし、一緒にいる結界のアリスの持ち主は中校長が傍に置くほどの使い手。

少々厄介だが、

接触する機会があれば、アリスを返して欲しければ投降しろと通達すればいい。

風紀隊は今すぐ詩のアリスの回収を。

危力系は、

出動だ....」










「ごめんな、巻き込んで」



「まだそんなこと言ってるの?

いい加減怒るよ、それ以上言ったら」

##NAME1##が言った。

「もう、決めたことなんだから。

それに、辛いのは詩のほう」

「ありがとう、##NAME1##。

ほんとは、アリスが体の中に無いってだけで、すごく不安でたまらない。

自分のアリスが嫌いとか言ったのに、矛盾してるよな。

.....でも、##NAME1##が隣にいるだけで気持ちが強くもてる。

1人だったら、耐えられなかったと思う」

珍しく弱気な式神使いに寄り添う。

「詩が.....頼ってくれて嬉しいよ。

正直、今、詩の中にアリスが少ししかない事、よかったって思ってる。

詩はまた1人で戦ってしまうところだった。

詩に自分のアリスを嫌いと言わせてしまう学園を、私だって変えたい。

詩が自分のことを愛せるように、私はありったけの愛をささげるよ」

##NAME1##は、ぎゅっと詩の手を握った。

「もう、離れたくない....」

「俺も....」

そう言って詩は、##NAME1##を抱き寄せた。





こんな時なのに、俺らを照らす月は美しかった。

束の間の安息を、与えてくれた.....







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