歓迎/お気に入り
ギィ....
ドアが開き、目の前には初校長。
そして、危力系の人たち。
「ようこそ、佐倉蜜柑さん。
待ちかねたよ....」
初校長は、貼り付けた笑みを浮かべた。
「君はどうやら、盗みのアリスを保持している事は間違いなさそうだからね
歓迎するよ
危力系の新たなメンバーとして
僕の大切な、〝お気に入り〟として.....
君が慕っている総代表の詩が、この場にいないのは少々残念かな?
まあでも、彼もきっと歓迎してくれるだろう
君たちは、仲がいいみたいだ」
初校長はそう言って、不敵な笑みを浮かべた。
蜜柑はどうしよう、と考えをめぐらせるがあまりの異様な雰囲気に完全に飲み込まれてしまっている。
冷や汗が背中を伝った。
「何も怯えることはないさ
僕に従ってさえいれば、ここにいる誰よりも君を大切にかわいがってあげよう」
「いや...っ」
咄嗟に口から出ていた。
でも、目の前に対峙している初校長の目は揺るがず、悪魔のように笑っていた。
「詩だって、僕に忠実に従っているから、あんなに楽しい学園生活をおくれているんだ。
僕が詩のアリスの使い道を見出した。
どんな素晴らしいアリスも、使わなきゃ意味がない。
さあ、君も....」
「違う!
あんたのしてることは詩先輩を苦しめてる!
詩先輩はなんで、アリスなのに学園にいないの?
学園で生活を送ることすらできてない!」
初校長は顔を顰めた。
しかし、ルイや八雲ははっとしていた。
いつのまにかいた鳴海も、何か気づかされたような顔をしていた。
「親子そろって忌々しい....」
ただ一人、月だけは、ものすごい妖気を放っていた。
そして、蜜柑に向かってアリスを使おうとしたときだった。
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