バレンタイン
蜜柑は、学園のバレンタイン事情について説明を受けていた。
つ○さ先輩の証言「学園のバレンタインはモテる奴ほど地獄っつーおそろしいイベントなんだよ......」
N先生の証言「バレンタインか~~~
女の子達が好きな相手の心を射とめるために手段を選ばない日だね。
セントラルタウンの闇の薬売りから買った媚薬や生徒がアリスで作った薬・材料・おまじないで妖しげなチョコが学園中に出回るもんだから、
チョコを貰う側としたら毎年戦戦恐恐なんだよー。
チョコに何が入ってるか分かったもんじゃないからね」
こんな説明を受けたにもかかわらず、蜜柑はというと、
「たのしそ~っ」
と、クラスの女子たちと大盛り上がり。
そしてこんな情報も……
委員長の証言「学園のバレンタインは少し....というかかなり、趣旨が変わってしまうときがあるんだ。
毎年新聞部から発行される〝ブラックリスト〟っていうのがあって、
それに名前が載った人の、バレンタインのネタになるような写真を撮って新聞部に届けると、懸賞金がもらえるんだ」
「ぶらっくりすとにけんしょーきん?!」
「うん、それに名前が載っちゃった人は地獄の1日って言われてて、
1日中、指名手配犯みたいに追われ続けるんだ。
これは女子だけのイベントじゃないから、もちろん男子も参加してて、すごく大規模なんだ」
蜜柑はここで初めて男子を気の毒だと思うのだった。
蛍なんかは、まるっきし懸賞金目当ての様子......
―蛍のチョコを貰う人......ご愁傷様です.........
蜜柑は密かにそう思うのだった_______
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