アリス石に込めるもの
アリスストーン作りに奮闘して30分。
蛍と委員長はある程度の大きさの石を作っていた。
皆、2人の綺麗な石に見入っていた。
自分達のはというと..........
まあ、目には見えていたが言葉で表すとすると、撃沈。
結局まともにできたのは蛍と委員長だけ。
そんな、落ち込む皆を元気付けようと、殿がある提案をする。
「あれねー」
「そうそうアレアレ」
「あれかぁ....」
「じゃ、あれでいきましょうか......」
「うん、いんじゃね?俺は賛成」
先生達は何だか意味ありげな会話。
「闇アリスストーン?」
皆、思ったとおりその名を聞いたのは初めてで。
最初こそ乗り気でなかったものの、殿のさらなる説明によって、一気にみんなやる気全開。
ナルや詩、殿のアリスストーンが手に入ると聞いたら、やる気にならない人はいないだろう。
そんなこんなで、教室を暗くして闇アリスストーンスタート!
教室の中ではプチパニック。
あらゆる手でターゲットを狙う者たち、恐るべし!
詩も女の子たちから必死に逃げていた。
―ドンっ
そのあまり、詩は誰かとぶつかり一緒に転ぶ。
電気がついたのは、それとほぼ同時だった。
「大丈夫かー?」
と、あまりよく相手を見ずにぶつかった初等部生に言葉をかける。
「あ....うん」
そう答えたのは、同じく女の子たちに追われていた流架だった。
そんなワケで、しりもちをついている2人は女の子に取り囲まれている状態。
「私が1番詩せんぱいに近いよー」
「えー私だよー」
「ルカくん、私と交換してー」
「ちょっと!私が流架くんと交換するのよ!」
恐るべし、女子!
2人の脳内は一致した。
そこで、女子達の言い合いの中で、詩が口を開き皆を制す。
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