代償
どれくらい、時が経っただろうか。
窓からの陽射しは、いつのまにか夕日に変わっていた。
部屋全体を、詩をも紅く染める光。
―ザッ……
静かに上体を起こす。
まだ全身が痛むが、朝よりはいくらかマシだ。
改めて全身を見ると、最低限の手当てはされているようだった。
「う゛っ....」
詩は足を引きずり痛みに顔を歪めながら、部屋を出る。
これが、禁域に入った代償。
しばらくはまともに動けなさそうだ。
この状態で櫻野や昴に会ったらまた心配されてしまう。
だからしばらくは会わないようにしよう。
そう思っていたとき、ふと浮かんだ顔があった。
久しぶりに、あいつのところにいくか.....
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