禁域/暴走
「蜜柑っ!詩っ!棗達も!」
ペルソナが去ったあと、そんな声が暗闇から聞こえた。
「翼...?」
蜜柑の様子をそばでみていた詩が、暗闇に目を向け言う。
「....誰か、けがでもしたのか?....敵は?」
翼の心配そうな声。
そして翼と陽一の姿が見えた。
「蜜柑...っ」
蜜柑の姿を見た翼が驚き、呟く。
「詩...ちゃん」
遅れて聞こえたその声。
「ルイ....」
その姿を見た詩以外の皆は、身構える。
「ルイ....今はまず、ペルソナのところへ行け.....颯も....俺と会ったことは言うな」
詩にとっても、詩を見逃したともとれるルイたちにもそれが最善。
「....颯、行くよ」
ルイは、静かにそう言うと、詩を見ずにその場を去った。
「えっちょっ待てよ....」
颯もその姿を追って、行くのだった。
ルイ、ごめん....
そう思いつつも、蜜柑の容態のほうはどんどん最悪な方へ向かっている。
「みんな、とにかく今は蜜柑を連れ出すんだ!
早く、ここを出るぞ!」
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