禁域/暴走
気がつくと詩は、しりもちをついていた。
そして目の前には、ペルソナを突き飛ばした蜜柑。
そして、ペルソナ。
どうやら蜜柑の無効化が、2人のアリスにきいたようだ。
詩の周りに、制御できていなかった式神の姿はもうなかった。
ペルソナのほうは、己のアリスによって蝕まれていく手をじっと見つめていた。
その傍らには......
先生の石。
それが割れていた。
顔も、己のアリスによって、醜くなっていく。
「....ペル...ソナ....」
詩の口からやっと出たのは、その一言。
皆が呆然としてる間に、ペルソナは八雲を連れ、その場を立ち去った。
その頃中校長は......
「...くっくっ.....くっく.....」
「―まあ姫様ったら、随分楽しそうですこと」
かきつばたは、楽しそうにしている姫宮に声をかける。
「蜜柑の君.....やはり思ったとおり、おもしろい娘」
蜜柑の君....?
「私はその子の周囲の結界を一瞬、ほんの少しゆるめてあげただけ。
なのにあの子ったら、思わぬうれしい展開をみせてくれて.....」
##NAME1##もまた、姫宮の独り言に耳を傾けていた。
「仮面の君....あやつは自業自得もいいところ。
しかし....あの神の力までとめるなんて.....」
姫宮は興味深そうに目を細めた。
神の力ときいて、##NAME1##に思い当たるのは一つだけ。
そうであってほしくないという予感は当たってしまった。
詩....ここで、姫様の領域で、何をしているの.....?
その傍らでかきつばたは、考え込むような顔をする。
詩のあの強いアリスを無効化にした?
それが本当なら、蜜柑の君.....あなたは詩を救えるかもしれない......
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