禁域/暴走
皆、身震いした。
2人の冷たい瞳と、はりつめた空気に。
―シャッ....
2人のアリスが交差した。
皆、息を呑む。
一瞬にして、大量の式神が朽ちる。
それでもすぐにまた式神がでてきて、無限かのように思えた。
しかし、
「ガハッ.....ゲホッ..ゲホッ...」
詩が口と心臓の辺りを押さえうずくまる。
「詩。お前の負けだな。
ここにいるおかげで、いつも以上に式神とお前が共鳴しあってる。
式神が受けるダメージを、おまえ自身も受けることになる。
いくら大量に式神をだしても、自分を滅ぼすだけだ」
ペルソナは、冷たく詩を見下ろす。
詩は、吐血していた。
それでも詩は、フラフラしながらも立ち上がる。
「詩っもうやめろ!」
棗が叫ぶ。
「せや!詩先輩、やめて!」
蜜柑も、しびれる体を起こし言う。
しかし、詩はさっき以上に式神を出した。
「これで最後だ、詩」
ペルソナも再度アリスをだす体制に入る。
「それはこっちのセリフだ」
―シャッ....
再び、2人のアリスが交差した。
しかし、それは何か、強い力によって阻まれた。
―パァァン....
詩にも、何が起きたのかわからなかった_____
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