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余興/新年の宴



しばらく1人で、何を考えるわけでもなくボーッとしていた詩。

その背後に、忍び寄る影.....





「おい!詩ぁ!」

ポンっと急に肩を叩かれ、驚く詩。

「うわっ」

詩はその人の顔を確認し、ホッと溜息をつく。

「なんだ殿かよー」

「なんだってなんだよ。失礼だぞ」

殿は2人分の飲み物をテーブルに置き、詩の隣のイスに座った。

「何してんだよこんなとこでー。

気まぐれなお前のことだからどっかいっちまったかなーと思えば同じ部屋にいたなんて。

ったく相変わらず何考えてんのかわかんねーなー」

殿は半分呆れ気味に言う。

「うるせーよ」

詩は笑いながら答える。

「つーかこんなとこいないであっちいこーぜー。

みんな詩いねーと盛り上がらないだとさ」

俺がいるのにな、と殿は付け足して言う。

「あぁわりーな。今行くよ」

詩は殿がもってきた飲み物を手に持ち、すっと立ち上がる。

「おぅ」

殿も返事をし立ち上がる。

「....詩」

と、向かおうとしていた詩を呼び止める殿。

「ん?」

詩が振り向く。

「何かあったら言えよ。俺だって役立つんだからな」

殿はニヤっと笑う。

「わかってる」

詩は照れくさそうに笑いながら言い、殿と一緒に盛り上がる皆の輪に入っていった。







殿はきっと気づいている。

詩の様子がいつもと違うことに。

でも直接何か言ってくることはない。

それは彼なりの気づかいで、友達だからこそのこと。

詩も、殿に話すことはなかった。

巻き込みたくないから......親友を。







詩は、花姫殿の地下のことが気になりながらも、つかの間の休息を楽しむのだった。

その頃、初等部では〝もっちもっち粉事件〟により、いろいろな意味で大変なことになっていた。

このとき、明日起こりうる事を誰が予測していただろうか_______








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