危険能力系の代表
「詩先輩、いないねー....」
「ね、、残念。せっかく詩先輩のこと見れると思ったのに.......」
「ラストダンス、誰とおどるのかなー?」
「どうせ彼女でしょーっ」
「えっ...彼女いるって噂、ほんとだったの??ショック~~~」
「どーせまた新聞部の話題作り、デマでしょ!デマだと信じたいっ」
「そうだ、安藤にきいてみようよっあいつ詩先輩と仲よかったよね?」
「そうだそうだっ安藤ってばどこだろ~~」
開会式の中等部生の列。
毎年ある行事で開会式ともなれば慣れと飽き。
わくわくそわそわしている初等部生とは違って、緊張感が薄かった。
聞こえた女子たちの会話に、翼は面倒くさいなぁと身を潜めているところだった。
この学園の色恋沙汰には巻き込まれないのが定石。
こと、“詩”という存在が関わってくる話題は要注意。
今年に入ってからも、詩を紹介してほしい、とか、詩へプレゼントを渡してほしい、というお願いが後を絶たないばかりか、年々増えている気さえしてくる。
詩に近づきたい!という純粋な気持ちは悪ではないが、第三者の翼がひとつひとつ真面目にとりあっていたらきりがない。
今日も今日とてモテる先輩をもつ翼は大変だなぁ、と端でその様子をみる美咲は同情するのだった。
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