分身/パーティーの準備
寒空の下、2人の影が中等部の寮へと向かっていた。
クリスマスパーティーの準備を終えた、翼と美咲。
「詩先輩、まだ任務かなー……」
美咲が空を仰ぎながら呟く。
「そろそろ帰ってきてる頃じゃないか?」
翼が答える。
―翼、うまいこと頼むよ
俺のことはサボってるとでもゆっとけ。
その代わりに分身おくっとくから_____
「こーゆーことだけはしっかりしてんだな」
美咲が笑いをもらす。
「だよな」
翼もふっと笑みをもらしながら、詩の言葉を思い出す。
「詩ークリスマスパーティーは参加できんだろ?」
「んー...ちょっと厳しそう」
詩は頭をかきながら申し訳なさそうに言う。
「えっ....任務はいってんのか?」
「ま、前日に終わらせることはできんだけど、そしたら準備ができねーしなー」
詩は考え込むように言う。
「ばっかじゃねーのー?準備は俺らにまかせろっての」
翼は、そんなことに悩んでたのかと、少し呆れる。
「でもなー....準備に参加しないでパーティーだけに参加するのもなぁ____」
「ほんとだよー翼が説得しなかったら本当に当日任務にいくとこだったよなー」
「ったく、何でそーゆうとこだけマジメなんだか」
翼はまたまた思い出して笑うのだった。
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