高等部の“穴”
「―久しぶり、柚香先輩.....志貴さんも。
ここにいれば、必ず会えると思ってた......」
先輩が愛した先生が、眠る場所。
ナルは、静かな目でそこに佇んでいた。
しばらく、そこで淡々と会話をしていた。
「―詩、見ないあいだに随分大人っぽくなったね」
ふいに先輩が言った。
学園に侵入した際、敵と味方として戦ったと聞いた。
「生意気なところは相変わらずだよ」
「そう...」
先輩も、詩と戦うことになったことを気にかけているのだろう、そう思った。
「彼は、今も、今までも必死だよ。
先生や、先輩の意思を引き継ぐために誰よりも身を削ってる......あの頃よりもずっと、強くなって、誰にもとめられない_____」
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