確かめる想い
##NAME1##は、詩の腕の中にいた。
一瞬のことで、頭がついていかない。
だけど、これは現実。
詩の温もりが伝わり、実感がわく。
詩が##NAME1##を引き寄せ、抱きしめていた。
詩の匂い。
鼓動。
頭に添えられた手の温もり。
すぐそばで感じれる詩の呼吸。
すべてが心地よかった。
それとは裏腹に、震える詩の腕。
詩の抑えきれない想いがあふれ出てきてるようだった。
初めて、詩のこんな姿を見たと思う。
私はそっと、詩に身を預け、ぎゅっと詩を抱きしめた。
言葉は無かったが、お互いの想いが通じ合ったかのようだった。
しばらくそうしていて、詩が口を開いた。
「ずっと、こうしたかった。
離したくない....」
泣いているようにもきこえる、詩の少し震えた声。
「詩、いかないで」
言っても困らせるだけとわかっていても、この思いをとめることはできなかった。
詩は答えずに、でも、より一層抱きしめる腕に力を込めていた。
それから2人は、自然と唇を合わせていた。
背が伸びた詩。
抱きしめる強さも強くなっていた。
キスの合間にみせる瞳も大人っぽくて、一つ一つが、中等部の時と違った。
あの頃よりも、激しく求める詩。
その刺激で、脳が溶けるようだった。
しかしそんな時間も、長くは続かない。
「ごめん、もう行かなきゃ」
ゆっくりと唇を離して、詩は言った。
その言葉が##NAME1##にとって、言った本人の詩にとっても残酷なものだった。
「これ以上いたら、自分をとめられなくなる。
俺だって男だからさ」
最後に、詩は悪戯っぽく笑う。
##NAME1##は恥ずかしそうに、目をそらした。
それだけでも、愛おしく感じる。
「##NAME1##、かわいい」
ふいに詩がいうから、顔がまた火照るのがわかった。
「からかわないでよ詩」
「思ったこと言っただけ。
##NAME1##モテるから俺いない間、心配なっちゃうな」
「モテるのは詩のほうでしょ。
.....やっぱり、行っちゃうんだね」
いない間、という言葉がまた現実味を帯びる。
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