確かめる想い
「##NAME1##を、巻き込みたくなかった。
俺の存在で、また##NAME1##を悲しませたくなかった」
「好きな人の力になりたいと思う。
でも、足手まといなのかなっていろいろなこと考えると、話しかけるのさえためらっちゃう」
2人の、どうにもならない気持ち。
もどかしく、切ない思い。
お互いわかるからこそ、好きだからこそ、つらかった。
「そばにいるって言えなくてごめん。
悲しませないって言えなくてごめん」
いつになく、詩は弱気だった。
こんな、自信のない詩をみたのは初めてかもしれない。
大切だから、こんなにも苦しみ悩んでいる。
「頼ってほしい。
私を巻き込むのは怖いかもしれない。
でも、あの時の弱い私じゃないから。
アリスの面でも成長してるつもり。
守られるだけじゃない、詩の力にもなってみせるから。
ひとりきりで戦わないで」
離れていた時間に変わったのは詩だけではない。
##NAME1##もまた、しっかりと自分のアリスとしての未来を見据えていた。
「すごく、頼もしく見える」
##NAME1##の強い瞳をみて、詩は言った。
「詩も安心して過ごせる学園にしたい。
私たちが、何にも怯えず、ただふつうの学園生活を送れるように、この学園を変えたい。
そう思っている人は、詩だけじゃなくてたくさんいる。
それは私も同じだから」
いつしか、同じ志をもつ仲間がこんなに身近に増えていたことに気づいていなかった。
自分のやってきたことが、報われていると少し感じられた。
「ありがとう、##NAME1##。
今だけ少し、難しいこと忘れるよ」
そう言って、詩はバッグを床において##NAME1##の前に一歩でた。
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