このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

確かめる想い



「今日、学園を出る。

.....長期任務で」

詩は話を切りだす。

「うん、なんとなくそうだと思った」

静かにそう答える##NAME1##の目は、やたらと大人びて見えた。

「そっか」

詩は心当たりがあるのか、苦笑いした。

詩は長期任務に行くとき、誰にも話さないで急に学園を出る。

櫻野や昴にも言わない。

殿や翼、危力系のメンバーにだって言わない。

鳴海は教師で知っているが、ほかの生徒に言わないように口留めしてある徹底ぶり。

それは、変に気を遣われたくなかったし、しばらく味わえない学園の雰囲気を、行く前まで普通に味わいたいから。

だから、今回も勿論誰にも言っていない。

それでも、今回出発前に##NAME1##を呼び出したのには理由があった。









「ずっと、待たせてすまなかった。

##NAME1##の気持ちも、自分の気持ちもわかっていたけど、知らないふりしてきた。

##NAME1##のことを悲しませてばかりな気がする。

でも、思ってることはやっぱりちゃんと伝えようと思って」









「俺は、今でも##NAME1##のことが好きだよ。

いや、前よりも今の方がずっとずっと好きの気持ちが大きくなってる」

優しい目だった。

ちゃんと言ってくれた。

でも、なんでそんなに苦しそうなの。

「告白くらい、いつもみたいに笑って言ってよ」

##NAME1##の声が切なく響いた。

ずっと待ち続けた言葉なのに、嬉しいはずなのに、なんでこんなに悲しいんだろう。

##NAME1##はぎゅっと唇を噛み締めた。

「詩、私も詩のことが好き。

だから、お願いだからもう、突き放さないで」






.
2/5ページ
スキ