確かめる想い
「今日、学園を出る。
.....長期任務で」
詩は話を切りだす。
「うん、なんとなくそうだと思った」
静かにそう答える##NAME1##の目は、やたらと大人びて見えた。
「そっか」
詩は心当たりがあるのか、苦笑いした。
詩は長期任務に行くとき、誰にも話さないで急に学園を出る。
櫻野や昴にも言わない。
殿や翼、危力系のメンバーにだって言わない。
鳴海は教師で知っているが、ほかの生徒に言わないように口留めしてある徹底ぶり。
それは、変に気を遣われたくなかったし、しばらく味わえない学園の雰囲気を、行く前まで普通に味わいたいから。
だから、今回も勿論誰にも言っていない。
それでも、今回出発前に##NAME1##を呼び出したのには理由があった。
「ずっと、待たせてすまなかった。
##NAME1##の気持ちも、自分の気持ちもわかっていたけど、知らないふりしてきた。
##NAME1##のことを悲しませてばかりな気がする。
でも、思ってることはやっぱりちゃんと伝えようと思って」
「俺は、今でも##NAME1##のことが好きだよ。
いや、前よりも今の方がずっとずっと好きの気持ちが大きくなってる」
優しい目だった。
ちゃんと言ってくれた。
でも、なんでそんなに苦しそうなの。
「告白くらい、いつもみたいに笑って言ってよ」
##NAME1##の声が切なく響いた。
ずっと待ち続けた言葉なのに、嬉しいはずなのに、なんでこんなに悲しいんだろう。
##NAME1##はぎゅっと唇を噛み締めた。
「詩、私も詩のことが好き。
だから、お願いだからもう、突き放さないで」
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