傍観者(鳴海side)
「....助け船出してやるんすか?めんどくさい.....」
すぐそこで神野による罰則を受けている、2人。
俺はレオの言葉に冷たく言い返す。
「まさか。
縁もゆかりもないガキのとばっちり受ける気なんてさらさらないよ」
櫻野と今井はその言葉に、また悲しい表情をする。
「どうせこの学園にいれば遅かれ早かれ
大方が俺らのように濁った目になっていく
この子らも今、そのプロセス上にいるってだけのこと」
そうつぶやいて、俺はレオと一緒に立ち去った......
2人と目を合わせることはなかった。
―ザッ.....
「―さっきの言葉、ほんとに思ってんのかよ」
目の前に現れたのは、くそナマイキな後輩。
「お、詩」
レオがやれやれとつぶやく。
詩は5歳児と思えないほど鋭くこちらを睨みつける。
「ああ、本心だよ」
俺は冷たく言い放つ。
詩の睨みつける目が鋭くなる。
「なんだ、お前は少しはものわかりいいと思ってたけど、結局あいつらと一緒か」
レオは鼻で笑ったように言う。
「秀と昴と一緒で何が悪いんだ。
お前らと一緒にされるよりましだ」
「はってめぇ」
ガキなレオがキレるのは目に見えた。
「子ども相手に本気になるなよ」
鳴海は静かに言う。
鳴海に従順なレオは、すぐに黙った。
しばらく、沈黙が続いたが詩はふと目をそらして、櫻野と昴が連れていかれた方へ向かっていった。
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