決意の刻印/蝕まれる身体
あれから、
少し経ってからのことだった。
ナルの手が、完全に治ったと聞いたのは。
ナルは、自分で治したと言い張っているけれど、
あそこまで蝕まれた腕を、自分で治せるわけが無い。
でも、俺は追及なんかしない。
わかってるから。
また、僕らには眩しすぎるあの光が、救ってくれたということを。
陽だまりのような彼女が、救ってくれたということを。
ありがとう、蜜柑。
あいつを助けてくれて。
強がってナルの前では、あまり多く言わなかったけど、
本当はすごく心配だったんだ、アイツのことが。
アイツの腕が治ったと聞いたとき、まじで、ほんとにほっとした。
安心した。
今はまだ、そのアリスをもったことがこの先の運命を大きく変えることだなんて知らなくて、
その運命をいつか知ったとき、どんな茨の道が待っていようと、
きっと俺は君を救いだす。
君の父親が、俺を救ってくれたように............
蜜柑、お前は希望の光そのものなんだ。
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