逆境
そんなこんなで.....
勝敗の決め手となる、体育祭ラスト競技
騎馬戦の開幕!!
詩は、秀一・昴・##NAME1##とともに応援席。
「蜜柑ちゃん、頑張ってね」
「うん、##NAME1##先輩ありがとうな」
みると、##NAME1##と蜜柑はいいつのまに仲良くなったのか、##NAME1##はわざわざ応援の言葉をかけにいっていた。
紅組は、主将心読み+殿というある意味最強タッグ。
それに加え、今話題の蜜柑、危力系の4人衆などと、遠距離戦に強いテレポート・念力系が主力。
白組は一際目をひく蛍さまのビックリドッキリメカや、身軽な棗やパーマなどと、接近戦に強いフェロモン軍が主力。
そして主将はというと、あの、小泉月という異色の人選。
これにはパーマが面白くない様子。
蜜柑も緊張した面持ちだ。
そんな中、
ピ――――――ッ
と、始まりのホイッスルが鳴り響いた。
それとともに、迷い無く動き出したのは紅の蜜柑組。
「おー行った行った」
応援席では作戦を知ってる詩が、満足そうに言う。
そして作戦は成功したようで、会場がどっと沸く。
場内の状況を利用した、陽動作戦。
結構危ない作戦ではあるものの、おかげで紅組の勢いがついたようだった。
前半は、紅組の猛攻撃で白はかなりおされていた。
念力、フライング、テレポート.....
通称紅組の無敵艦隊は、順調に追い上げていく。
しかし、白組も負けてはいなかった。
前半の猛攻撃で主戦力の念力・テレポート軍団が一斉にアリス切れ。
そこを突くかのように、白組本領発揮!
次々と仲間がポイントとなる星をとられていく。
興奮している蜜柑は、「みんなの死は無駄にしなーい」とわけのわからないことを叫びながら、突如敵陣に飛び込んで星をゲットしていく。
しかし、それも長く続くはずもなくすぐに敵陣に取り囲まれてしまった。
それからは、白組の猛攻撃に間一髪に必死に逃げ惑う。
ひーっ
わーっ
ぎゃーっ
.....て、あれ?
「あれ、おかしくねーか?」
応援席の詩は蜜柑に目をこらす。
蜜柑に今、攻撃を仕掛けているのは同じ紅組。
その場にいる紅組応援団は険しい表情をする。
蜜柑は、必死に振り切ろうともみ合いになる。
「あぶないっ」
誰かがそう叫んだときだった。
何か、強い力がはたらいたのが詩にはわかった。
「....え」
「あ....あれ....何でこんな....どうして.....
何でオレ、こんなこと.....」
蜜柑と向き合い、正気に戻ったような味方のこが言う。
蜜柑の手には......小さな石。
蜜柑はわけがわからないようす。
でも、勘付いた人は勘付いた様子だった。
それは詩や殿、翼だけでなく、初校長や小泉月も一緒だった。
詩は月を険しい顔つきで見据えた。
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