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逆境



「蜜柑ちゃん、

みんなが話してたんだけど、棗君中心で、さっきクラスのみんなが蜜柑ちゃんを仲間はずれにしようって決めてたって本当?」

―棗が....?








今、蜜柑たちのもとに戻るとそんな話になっていた。

蜜柑はというと.....




「うん」




とあっさり認めている。

これにはみんな驚いていた。

「な、何で....」

「何かしらんけど、そういう話になっててん。

でもま、しょーがないか」

蜜柑は苦笑いで言う。

「なんで棗君がそんな....」



―棗も、やっぱり小泉月に.....



「ええねん。

棗のことはもうええねん」

なぜか、蜜柑はふっきれたような表情をしていた。

それが気になり、蜜柑のあとの言葉をきく。

「どうも棗は...ウチにはわからんけど、そうしなあかん理由が何かあるみたいやねん。

でも大丈夫。

ウチはこんなんでヘコたれへん」

蜜柑の顔はぱっと明るくなっていた。

詩ははっとする。

「今までやな事ばかり目がいって、凹み路線やったけど、

こんだけウチ悪い噂だらけなのに、周り見わたしたらみんなが変わらず心配そうに見守っててくれてて

それって逆に考えたら、ウチすごく恵まれてるんやなって。

そう思ったら嬉しくなって

みんなからいっぱい元気もらったから もー大丈夫。

ウチは負けへんで!

最後まで頑張ろうな、体育祭!!」

言い切った蜜柑は、すがすがしい表情だった。

その表情を見た瞬間、詩の中にあった心のモヤは取り払われた気がした。

詩だけでなく、そこにいた皆の表情も変わった。







―先生、やっぱり俺は先生の背中を追い続けます。

そして、どんなときでも蜜柑の味方であり続けます。

先生みたいに、みんなを守り続けます。

だから......










「よっしゃ!よく言った蜜柑!

騎馬戦も頑張るぞー!!!

紅組、絶対優勝ーーーーー!!!」

「「「おーーー!!!」」」

詩の声に、皆の声が重なった。





―先生も、見守り続けてください

たとえこれから、これ以上に険しい道になったとしても、

きっと俺達は、あきらめずに戦い続けるんだと思います。







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