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逆境



「詩....」

3人は少し驚いた顔をする。

「おう」

詩は軽く返事すると、学園の教師関係者らしき人と一緒に中に入っていった。

「詩、何を......」

心配そうな顔の3人を横目に、詩は蜜柑のもとへ行く。












「芹生先生」

詩とともにいる学園の教師関係者が呼びかける。

ペルソナはそれに頷く。

皆、突然現れた詩に驚いている。

「「詩....」」

「詩先輩....」

蜜柑、殿、翼が呟く。

なぜか詩は、皆と目を合わせようとしない。

ペルソナが口を開いた。






「......いいでしょう。

処分については調査結果を待ちましょう。

しかし要注意人物として、佐倉蜜柑をひきつづき監視し、問題行動があれば即、危力系に身柄の引渡しを要求します」







「おかしいだろそんなの!」

ペルソナの静かな物言いに、我慢できなくなった翼が言う。

「蜜柑は被害者で.....

ましてやさっきから犯人にしむけるようなマネで......っ

詩も何か言ってやれよ!

そのためにここに来たんだろ!?」

翼が、そうだと言ってくれと言わんばかりに言う。

詩は、何か言いたげな表情をするが、それを飲み込み

「翼、落ち着け....」

となだめることしかしなかった。

「そんな...詩....

こんなむちゃくちゃな事頭ごなしに」

「むちゃくちゃかどうかはいずれ周囲が決める」

翼の言葉をさええぎるようにペルソナは言う。

「はたして周囲がお前達のように彼女の言うことをそのまま信じるかどうか.....」

ペルソナは冷たく言う。

翼はまだ何か言いたげに歯軋りする。

「彼は、臨時措置で佐倉蜜柑の監視をおこなってもらうために呼んだ」

途端にザワつく救護室。

「そんな....」

翼は詩のほうをむくが、前髪のせいで詩の感情は読み取れない。

「必要とあらば、佐倉蜜柑の身柄の確保を命じている。

危力系総代表の彼に、この件は一任する」

詩を牽制するかのような口調だった。

「ではまた...」

ペルソナはそう言って救護室をあとにした。

残ったのは、不穏な空気だった。









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