逆境
「―危力系の責任者として、
今回の事件を引き起こした生徒の処分と、当座の身柄引き受けを命じられここに出向しました」
ペルソナ........!?
救護室は異様な空気に包まれていた。
先ほど目を覚ました蜜柑をはじめとした、その場にいた全員が息をのむ。
「何の根拠があって....
強引すぎます。
彼女が事故を引き起こした張本人だなんて」
鳴海が慌てて言う。
―ぐいっ
ペルソナは蜜柑の3カウントシールを強引に引き寄せる。
「この3カウントシール
体育祭中一度も使われてなかったが、この応援合戦中に何故か一つ点滅してる。
演技中、特に無効化を必要とする場面は見当たらなかった。
あるとすれば一つ、あの事故の時――…」
な....何言ってんのこいつ.......っ
「ウチじゃない.....っ」
―ドンッ
蜜柑はペルソナを突き放す。
「何でウチがそんなこと.....っ
勝手なこといわんといて
アリスをいつのまにか使ってしまってたのは落下して.....
何が起こったのか分からんくてパニくったからで、
ウチは無効化で念力の.....
この競技の邪魔なんて、絶対にしてない」
蜜柑は強い口調で訴える。
そこにいた皆、険しい顔つきだった。
ふと、扉付近で様子を見守っていた秀一と昴が##NAME1##に気づく。
「詩は?」
一人でいる##NAME1##を疑問に思い、秀一が声をかける。
「.....初校長に呼ばれて_____」
その手にある手錠の先に、詩の姿はなかった。
さっきまで隣で笑っていた詩は、もういない。
秀一と昴はさらに険しい顔をする。
と、そこへ......
.