障害物競走
『体育祭、午前の部も最後の競技になりました!
午前の部、花形メイン〝合同障害物競走〟!』
アナウンスの声に、学園中は一際盛り上がりを見せた。
「俺達紅組がここまでの点差を一気に埋めるにはこの競技に賭けるしかねえ」
そう、話すのは殿。
今は紅組が全員控え室に集結していた。
ここまでの紅組の成績はいいものではなかった。
詩だけは、かなりいい成績を残しているが1人では意味のないもの。
本当に、次の障害物競走が勝負になる。
「この競技でモノを言うのは運動神経やアリスよりも何より運!!」
殿の言葉に長い間体育祭を経験してきた、櫻野、昴、詩はうんうんと頷く。
「というわけで、こっちで勝手に運の強そうな奴、メンバーに選んどいたから♪」
そう、殿が言って配られた紙に、あちこちで絶叫。
「しゅ....出場ウチーーーー!?きいてない~~~~」
と、蜜柑。
「は?!俺っ?!
お前、俺がこの競技でどんな経験してきたか今までずっと見てきただろ?!
何考えてんだお前!」
と、詩。
「殿内、君の名前がないのはどうしてかな?」
と、櫻野。
「やっぱり俺もか....」
と、翼。
何はともあれ問答無用!
そろそろ競技が始まるようす。
選手達は相手の組の面々をみて、さまざまな反応を見せる。
「はぁ、とにかくナルと同じじゃなくてよかった」
と、詩。
そんなこんなで、障害物競走スタート!
第一走者は紅組、のだっち・よーちゃん・蜜柑
白組、△△△・ナル・パーマ(スミレ)
トラップは伸び血縮みするハードルと、玉乗り。
最初は蜜柑やスミレがトップだったものの、やはり、というべきか。
この障害物競走はそう簡単にはいかないのだ。
あっというまにナルやのだっちが年の功でトップに躍り出る。
この障害物競走、ある程度の経験も必要なのだ。
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