障害物競走
五月晴れ、絶好の体育祭日和。
待ちに待った体育祭開幕!
「蜜柑ちゃーん」
「あ!白組のみんなー!!」
今日も初等部生は元気。
「あれ?ちょっと大きくなったか?蜜柑」
ひょいっと蜜柑を持ち上げたのは、何だか久しぶりの翼。
「翼先輩っ」
―がばっ
翼だとわかると蜜柑は勢いよく抱きつく。
「翼先輩のバカーーーーっ
ずっとどこ行ってたんもーーーっっ」
「蜜柑...」
「いつ特力行ってもどこ探しても先輩いーひんし
ウチさみしかってんから
ずっと不安で~」
今にも泣き出しそうな蜜柑を、翼は頭をぽんっとなで、なだめる。
「わりい....
そっか、随分不安にさせちゃってたか、蜜柑」
そんなやりとりを、皆そっと見守る。
その中には、詩もいた。
「お、詩」
それに初めて気付く殿。
「お前、紅組か?」
「おう」
詩はニカッと笑う。
「なんか今回は白組いくかもって聞いてたからさ」
「なぁワケねーだろ、俺はずっと紅でいくし」
早くも詩は準備体操をはじめてる。
「詩、気合はいってんなー」
そう、言ったのは蜜柑を抱えた翼。
「ったりめーよ
体育祭も久しぶりだかんな」
詩はもう、ジャージをぬいでTシャツ姿になっている。
「ま、体力は紅一だからな」
「うん、紅の重要戦力だし、期待してっからな」
殿も続けて、ばしっと背中をたたく。
「いって...
おうよ!
っしゃ!
紅組絶対優勝すっぞーーーー!!!」
「「「おーーーーっ!!」」」
こうして、紅は詩や蜜柑中心に盛り上がるのだった。
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