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新学期



蜜柑は、驚いてくれた殿に満足げに説明するが、殿は1人頭の中で考え事。






―櫻野と今井.....


蜜柑の周囲の不穏な空気をいち早く察知したってことか。


でもあの2人がなぜそこまで.......






「君にやってもらいたい事なんだが、

単刀直入に言うと、君の同級生の櫻野秀一と今井昴。

彼らの校長への忠誠心を試してもらいたい。

いや....彼らのしっぽをつかむと言った方がいいかな。

彼らの企みが具体的に何であるか、

こちらにとってそれが害になるようであれば......」





「期待しているよ....」








「....ぱい.....先ぱい

殿先輩?きこえてる?」

蜜柑の声に、はっと我に返る。

「もーちゃんと聞いてた?」

「聞いてた聞いてた

んで?もう1つは何だって?」

殿は笑顔を取り繕って蜜柑に尋ねる。





「あした、ウチのクラスに新入生が来んねん」

「へーー……」

薄い反応なはずだが、

「わーいやっとおどろいたー!」

と、この調子。

どんな人がくるんやろーっと、すごく楽しみのよう。

「ほなウチ、帰るわな」

蜜柑はしゃべりたいことを喋ったので、帰る様子。








「蜜柑」

殿が呼び止める。

「へ」

「....お前、櫻野達から何か言われたりしたか?」

「.....あ、そういえば。

〝君は風紀隊に絶対につかまってはいけない〟って

〝僕たちにも必要以上の接触をするな〟って....

何でか知らんけど....」







殿は何か察した様子だが、蜜柑にはそのことはわからない______






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