新学期
「なーなー大ニュース!」
そう、元気よく特力の教室に入ってきたのは、誰かなんて言うまでもないだろう。
「おーーどーしたチビー」
どよ~ん.....
蜜柑のテンションとは正反対のこちら。
それもそのはず。
風紀隊が教室内にいるからだ。
蜜柑もその姿を見つけると、やはりテンションは少し落ち気味。
「なー翼先輩いーひんの?詩先輩とかも....」
最近全然見ないと、さらに気を落とす蜜柑。
詩も暇なときはいつも特力にいるから、特力にいても何も違和感はない。
むしろいない方が違和感がある。
いつも翼とじゃれあってたり、殿とばかやってたり、美咲や蜜柑とおしゃべりしてたり.......
でもその姿が見えないと、どこか寂しい。
「翼ねー
そーなんだよ、またフラッとどっかいったままでさ。
わりのいいバイト見つかったとか言って」
呆れ気味に美咲は言う。
「詩も詩で忙しいみたいだぜ。
こっちもよくわかんねーけど」
殿先輩でもわからないのか、と蜜柑はどこか腑に落ちない様子。
「で、ニュースってなんだよ蜜柑」
殿は本来の蜜柑の目的へ話題を移す。
「あっそうやったそうやった」
と、蜜柑はまた笑顔を取り戻す。
「2つあるんやけど!
今日、初等部に何と教育実習生がきましたー!!」
「「知ってる」」
ばっさりと美咲と殿に切られるが、
「ち...ちがうのー!
教育実習生に来た人がニュースやの!」
「櫻野秀一です」
「今井昴です」
「山之内静音です」
「そ....そんなバナナ.....」
言った...言ったよ....
そんな目で美咲は殿を見る。
「やろー!?びっくりやろー!?」
殿は本当に驚いている様子。
「専科1年で教育実習って!
普通2年からだぜ?どんだけ優秀なんだよ.....」
殿は改めて3人のすごさを実感するのだった。
.