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新学期



アリス学園は新学期を迎え、すっかり春の陽気に包まれていた。

始まりの季節、春。

今日は、新生徒会就任式。







壇上には、たったいま正式に就任した新生徒会長〝五島 聖〟

旧生徒会長の櫻野や、昴、静音、詩や棗の姿もあった。

蜜柑は久しぶりにみる棗に、なんか大人っぽくなったなーと思っていた。

そんなこんなでもう1つ、重要なことが発表された。







〝風紀隊の設立〟






これには学園中、不安やら不満やらで少しざわつくのだった。











就任式後.....






「久しぶり。お前、最近どーだ?」

詩が話しかけてきた。

「別に....お前こそ」

素っ気無い、いつもの言葉を返す。

「ハハっ」

詩は細かに笑う。

「.....お前も、強くなったな」

ぽん、と棗の頭に手を載せる。

棗は、急に詩が言うものだから、どういう顔をしていいのかわからない。

「ルカぴょんにあんま心配かけんなよ」

「聞いてたのかよ」

「まーな」

そういった詩の顔色がいつもより悪い気がするのは気のせいか。

「昨日も任務か」

棗は詩をじっと見つめる。

「お前は心配しなくていい」

悪戯っぽく笑う詩。

「......あとどれくらい、時間があんのかな」

残ったアリスのことを言ってるのだろう。

そんないつになく弱気な詩とは裏腹に、2人の間にあたたかい春風が吹きぬける。






「じゃ、俺は戻るわ」

そう片手をあげ、詩は去っていく。

棗はその後ろ姿をただ見つめる。







いつも頼もしいその背中。

でもそれだって当たり前のことじゃないと思い知らされる。

詩は強くなったといったけど、自分にはまだまだ、力が必要だ_____







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