バレンタイン
「なー蛍ー何みてんのー?」
蜜柑は、教室で何やら真剣に読んでいる蛍に話しかける。
「あーコレ?蜜柑は持ってないの?
ブラックリストよ」
蛍はずらして蜜柑に見せる。
「へぇーこれがブラックリスト......
って、詩先輩ぃぃい!?」
蜜柑は目を見開く。
ブラックリストの1番目立つところに、大きな顔写真と共に〝東雲詩〟という文字。
懸賞金とやらも一番高そうだ。
そして、〝今年こそは欲しい!学園のプリンスの激レアショット!〟という派手な文字。
「当たり前じゃない。
あんなに人気なんだもの」
「ほ、蛍も狙ってるん?」
「バカね、詩先輩は狙ってないわ。
なんでこんなに懸賞金が高いと思ってんのよ。
ここ5年くらい、詩先輩の写真は出回ってない。
それだけ詩先輩は対策とってて、写真をとりにくいのよ。
私はそうね.....殿とか翼とか、小物狙いでいくわ」
「そ、そうなんやー.....ホンマや、殿先輩も翼先輩も載ってる!
あ、棗にルカぴょんも.....岬先生まで!」
蜜柑は改めて皆の知名度の高さを知るのだった。
「ところで蛍ー
そのブラックリストってどこで手に入れたん?」
「ツテよ」
「ツテ?」
蜜柑は首を傾げる。
「ええ。
このブッラクリストって教師に見つかったら面倒くさいことになるらしいの。
それで、出回るのは一部の生徒の間だけ。
手に入れるのも困難なの。
ま、私はどうってことないけどね」
「さ、さすが蛍.....」
蜜柑は関心してしまうのだった。
さてさて、明日はいよいよ個々の思惑が交差するバレンタイン!
男子たちの運命は_____
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