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もうお前のことしか頭にねぇんだよ。昼も夜も、夢ん中でも。…お前がいねぇと、どうにかなっちまいそうだ…。


…笑わないで聞いてくれる?本当はね、ずっと、ずっと前から…君が好きだったの。


はじめての会話。


お待ちしておりました。…貴方とこのようにお話できる日がこようとは…夢のようです。


賢く「見える」だけでしょ。必要なのは「賢い人」、ハリボテには用事ないよ。


背筋をのばして、胸を張れ。一日一回汗をかけ。そうやって生きてりゃ、他に文句ねぇだろ。


よく言うでしょう?「生まれは選べない」って。私もどうしてここに生まれたんだろうって、何度も思ったわ。だからね。最初は選べなかったから、最後は選ぶって決めたのよ。
(それが唯一の選択。)


どうせ助けてくれないんでしょ?…はあ。まったく、これだから世間知らずのお嬢さんは困りますね。甘ったれにも程がある。なぜ己で抗わないのですか?藻掻いて、考えうるすべての手を尽くして、なりふり構わず這いつくばって…それでもどうにもならないから、最終手段として周囲に頼るものでしょう。貴方は何をしたんですか?藻掻きましたか。何か手を打ちましたか。変えようと努力しましたか。してませんよね。ただ自分を哀れんで、悲劇のヒロインに浸っているだけじゃないですか。そもそも助けて「くれない」とはなんです、貴方は助けて「もらう」のでしょう。立場を弁えなさい。己で状況を打破しようとしない者には、誰も手を差し伸べたりしませんよ。その恩恵がどれだけ贅沢なものか知りもせず当然のようにねだる。私にはそんな恥知らずな行為、到底できませんね。…それでも、彼女達は貴方を助けにくるのでしょうね。私にはまったく理解できませんが。
(恥知らずさえ受け入れる器に感服する。)


「花のように美しい君が…。」「うがーっ!」「ちょ、うるさい!いいとこなんだから叫ぶな!」「言い回しがまどろっこしい!告白なら、男らしくシンプルに堂々と一言でいえよ!」
(だって結局のところ、伝えたいのはそれだけでしょう?)


バーカ。好きじゃなくて、愛してんだよ。


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