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「…本当に、ありがとうございます。」「なんのことですか。知りません。」


感謝の言葉を受け取らない背中に、深く頭を下げた。


そのうち、アタシの気持ちがあんたを圧倒するよ。


朝露の夢。


あたたかいぬくもりが、心にじんと沁みた。


「…なんだ、コレ。」「花束だよ。」「いやそれは見りゃわかる。それを、なんで俺によこすのかってのを聞いてんだが。ガラじゃねえだろ。」「ぬはは。内緒だ。」「なんだ、その笑い方。気持ち悪ィ。」「なにおう。」
(花言葉、感謝。)


通りすがりの子供の要求さえのみこんで。


こどもだけの菩薩。


お前なぁ、あんなのも相手にしてたら身が持たねえぞ。それに優しさと甘さは違うんだ。少しはほっとけ。


自分で作ったオルゴールを販売しているんです。
(あなただけに贈る、世界でたったひとつの音色を。)

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