-Vent de Rafale-きらきら光る青よりも
爆音と共に火花がばっと伸び上がる。
白い光がチカチカと目に眩しいその向こう側で、三人分の人影がゆらゆらと揺れる。
耳に痛いほど響くのは、周囲から上がる悲鳴にも似た声援。それに紛れるようにして、少年と大人の間の、高くも力強い歌声が、会場の空気を震わしている。
学校でよく聞いた歌声だ。音楽の授業や合唱祭以外で三人の歌を聞くことになるとは。
ステージに居る三人のことは小学校の頃から知っている。中学校まで一緒で、クラスも一緒だった。同級生というやつである。三人の中でも、下手側に居る金髪の彼とは委員会も同じだった。
ステージに立つ彼は昔と変わらず格好よく、背筋もピンと伸びて、立っているだけでも様になる良い男だ。優しい眼差しも、記憶にあるものと同じである。
序盤の二曲を歌い上げて、メインステージからセンターステージまで伸びた三本の花道に、一人一本ずつ足を踏み入れる。歌いながらも周囲のファンの様子を確認しつつ、「ファンサして」と書かれた扇子を見つけては、手を振ったり、視線を飛ばしたりとアイドルらしい事をしていた。
そう。三人は、ちょっと見ない間にアイドルになっていた。背丈も伸びて、大人の男へまた一段近づいたなと思う。
他に変わったところがあるとするなら、もう気軽に会える同級生ではないのかなという点だ。
彼らはステージ。こちらは……今日はスタンド席。
少し前までは隣に居られる距離だったのに、すっかり遠い存在になってしまったと、ちょっとだけ肩を落とした。