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夜という単語を使わずに夜を表現する

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 昼間よりも暗く、狭まった視界に、眉間にしわを寄せた。
 斜面にある足を慎重に平らな場所へ下ろし、一息吐く。
 汚れた手のひらを軽く叩き合わせて泥を落としてから、篭を背負い直して、てくてくと歩き出した。
 急に山菜が食べたくなって午後に家を出た。
 遅い帰りになるかもと想定し、直ぐに山を出れるように大きな通り沿いで山菜を採っていたのだ。
 今日はふきを使って、何か作ろう。
 調理するものを考えながら、惹き付けられるようにして東の空を見る。
 月はまだ出ていないが、光の粒が一つ輝いている。
 あれは、一番星と呼ばれている星だろうか。
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