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港の夜

 日が落ちても、港の周辺は人で賑わっていた。
 吊り下げられたランタンが人々の顔を照らし、揺蕩う煙が腹の虫を起こす。
 きゃらきゃらと笑う子どもの声。わっと広がる、大人の喧騒。
 この港を拠点にする海賊でも来ているのか、それとも大きな宝物を抱えた探検隊が帰って来たのか。
 色々な音を聞きながら、向こう岸へと繋ぐ石畳の橋を一人てくてくと歩いていく。
 今日一日、港を探索して足が疲れている。
 橋を渡りきった所で一つ息を吐き出すと、ちらほらと人が集まっているのが視界に入った。
 何かあるのだろうか。
 ゆっくりと足を進めて、人が集まっていた場所へ立ってみる。
 目に入ったのは、光に包まれた港の夜だった。
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