学園の沙汰は委員(おに)次第
腹が立つほど眩しい色をした夏の青が、男の頭上に広がっていた。
空気は熱され、肌からは汗が噴き出し、玉になったものが頬を伝い落ちる。
脂肌が余計脂まみれになってしまう。
ボサボサの短髪をそのままにした壮年の男は、灰色の煙を口から吐き出し、恨めしそうに空に浮かぶ火の玉を睨んだ。
中年太り気味の身体に、この夏の暑さは地獄である。太陽の神はいつから地獄の神になったのか。
やれやれと首を緩く振り、再び灰色の煙を長く細く吐き出す。
遠くに見える夏の積乱雲。
その前を、夜雀の群れが飛んでいく。
あの雲の下では、これから大量の雨粒が地面を叩きつけるだろう。いや、すでにそうなっているかもしれない。
「今日も荒れそうだなァ」
まあ、それは遠くの出来事でこの場にいる俺には関係無いことだと、男は雲を眺めながら呟いた。
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