【新しいつぼみ】4話
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昨日できなかった荷解きや昼食を終わらせたひなみは出かける準備をした。準備と言ってもスマホと念のため財布を入れた小さい鞄にヴァイオリンケースという少ない荷物のため一瞬で終わる。
一応、寮にいる誰かに伝えておこうと考え、リビングに顔を出す。リビングには春休みの宿題にラストスパートをかける学生たちや本を読んでいる人、昼寝をしている人など各々自由な時間を過ごしていた。
「あれ?ひなみちゃんヴァイオリンまで持って、どこか出かけるの?」
学生たちの手伝いをしていた紬が真っ先にひなみを見つけ声をかける。
「はい、ここから学校まで実際に行ってみようと思って、ついでにどこかいい練習場所も見つかればいいなって」
「確かに、いきなり初日よりはいいかもしれないね、あ、でも一人で大丈夫?」
「すぐ帰って来るつもりですし、最悪迷ってもスマホがありますから大丈夫です、ありがとうございます」
「そっか、気を付けてね」
「はい、行ってきます」
「「いってらっしゃい」」
紬との会話の締めくくりとして何も考えず告げた「行ってきます」という言葉に対して、その場にいた全員から「いってらっしゃい」が返ってきたことに思わず固まった。
「?ひなみちゃん?」
目をぱちくりしたまま動かないひなみを疑問に思った紬が声をかける。
「あ、ごめんなさい、何でもないです、行ってきます」
ひなみはそう言うと慌ただしく寮を出ていった。その場に残された人たちは少し異様な光景に目を見合わせた。
「どうしたんだろう?何かあったのかな?」
紬の疑問に勉強から意識がそれていた学生組がいろいろと考察し始める。
「なんかほかの用事を思い出したとかっスかね?」
「昨日来たばっかだろ?そんな立て続けに用事が入って来るとは思えないけどな」
そんな会話を聞いていた綴や万里までもがその会話に参加した。
「確かに、天馬の言う通りかもな、こっちの知り合いは監督以外にいないって監督が言ってたし」
「思い出したっつうよりびっくりしてる感じじゃね?」
「あー!確かに万チャンの言う通りかもっス!」
「でも、なんで驚いてんだ?」
「「う~ん」」
そこから三十分程の時間をかけてみんなで考えたが全く解決せず、紬の「とりあえず宿題終わらせようか」という一言でこの件の話は幕を閉じた。