【新しいつぼみ】2話
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「「ただいま~」」
「「おかえり/なさい‼」」
「わっ・・・」
寮についてすぐ、いづみと臣のただいまに対してそのもっと何倍ものおかえりが帰ってきてひなみは思わず後ずさった。その様子をいづみと臣は少し笑って先に玄関から上がった。
「今この寮には私を入れて22人が住んでるの、みんないい人たちだからそんなに怖がらなくても大丈夫」
「こ、怖がってない!」
「はいはい、わかったから早く靴脱いで上がって、みんなに紹介するから」
その言葉で自分だけが玄関から上がらずにいたことを思い出してさっさと靴を脱いで寮に足を踏み入れた。いづみと臣に続いて談話室に入るとそこには劇団員全員とおいしそうな料理がずらりと並んでいた。荷物が多いことや準備の時間を考慮して電車を夕方に時間にしたためちょうど夕飯時の時間だったのだ。
「じゃあ、紹介します!この子が私の妹の立花ひなみです。ほら、ひなみ挨拶」
いづみはそう言ってひなみの背中を押して一歩前に出した。
(20人以上もいるなんて思わなかった・・・)
予想以上の人数にごくりと唾をのんだ。
「た、立花・・・ひなみです・・・えっと、今日からよろしくお願いします」
そう言って勢いよく頭を下げた後、たくさんの注目から逃げるようにいづみの後ろに隠れた。
「あ!もう!こら‼」
いづみはひなみの腕をつかんで引っ張ったが全く動く気配がない。挙句の果てには臣の後ろに移動して隠れる始末。
「はあ、ごめんね、ちょっと人見知りというか、引っ込み思案なの・・・」
いづみは、ぎゅっと臣の服を握りしめる妹を見ながら呆れたように言った。
「大丈夫です!これから仲良くなっていけばいいですから、ね?」
そう言いながら、春組のリーダー佐久間咲也がゆっくりと近づいて手を差し出した。
「ひなみちゃん、これからよろしくね」
(お花みたいに笑う人・・・)
ひなみは恐る恐る前に出てきて咲也の手をきゅっと握った。
「よろしくお願いします・・・」
その様子を見て、その場の全員が微笑んだ。
今日から一緒に暮らすのだ。いくらでも仲良くなる機会はある。焦らず、ゆっくりと家族になっていけばいい。
「よし!じゃあ、早速ひなみの歓迎会するから荷物だけ置きに行こ」
「え?え?か、歓迎会??」
いづみに手を引かれながらキョロキョロと周りを見渡す。しかし、みんなひなみを見てにこにこしているだけだった。
「寮につく時間がちょうど夕飯時だったから、そのまま歓迎会をしようって話になったんだ」
臣が後ろをついてきながらひなみに説明した。
「私の、歓迎会・・・」
「臣くんに言ってひなみの好きなハヤシライス作ってももらったんだよ」
「ハヤシライス‼」
目を輝かせるひなみを見て、いづみと臣は目を見合わせて微笑んだ。