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貴女のお名前は?
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思っていたより早く幻視の術を解いてやってきた鵺野に、この場で決着をつけてやる!と意気込む彼を見やった玉藻は、その体に炎を纏わせるとそんな自分達のやり取りを少し離れたところで見ていた郷子達を振り返った。
呆然とする郷子達に、フ、とその口元に笑みを浮かべた玉藻はあろうことかその業火を郷子達に向けて放ったのだ。
「くそっ……!!相手は俺だぞ!!卑怯者め!!」
躊躇うことなく放たれた炎に、咄嗟に郷子と広をその背に庇った鵺野は背中を焼くその業火の炎に悲痛に顔を歪ませた。
「う、ぐっ……白衣観音経よ!!邪悪の炎から我らを守れ!!」
そう声を上げ手にしていた経文で結界を貼った鵺野に、その笑みをさらに深くさせた玉藻は徐々に徐々にその吐きだす炎のレベルを上げていく。
到底人では耐えられるレベルではないであろうその炎に、悲鳴をあげながらも広や郷子をその背に庇っていた鵺野は一気にその霊力を上げると玉藻の繰り出していた炎を打ち消した。
「何故だ?!この男……どんどん霊力が上がっていく……」
「玉藻……貴様がどんな卑劣な手段を使おうと……コイツらは、俺の生徒達だけは
絶対に傷つけさせん!!!」
そう声を上げ鬼の手を解放した鵺野に、業火の炎を切り裂いて飛び掛ってきた鵺野を寸でのところで交わした玉藻は再び構えを直すとその体に炎を纏わせた。
「その力だ……!私が求めていたのは!!さぁ鵺野先生!!貴方のその力の秘密この玉藻がいただきましょう!!!」
そう言って炎の勢いを倍増させた玉藻に、ふらつく足でなんとかその場に立っていた鵺野は横目で後ろに居る広や郷子を見るとその身を呈するように炎の前へと立ちはだかった。
「そこまでじゃ」
不意にその場に響いた声と、自分を庇うように目の前に降り立った人物に、白い羽衣を翻しその業火の炎を打ち消したその人物を見やった鵺野はどこか驚いたように目を瞬かせた。
「「夢子さん!!」」
来てくれたんだ!!と上がった郷子達からの歓声に、カラン、と下駄を鳴らし玉藻と対峙した『夢子』と呼ばれた着物を身にまとった女性はそんな郷子達を一瞥するとヒタリ、と玉藻を見据えた。
「主の負けじゃ荼吉権現天狐よ。今日の所はこのまま引け」
「…………羽衣狐だと?!貴様が何故ココに居るっ……」
突然目の前に現れ火輪尾の術を打ち消したその女性に、その耳から生える人のモノではない獣の耳と、その尾骨で揺れる尻尾を見やった玉藻は微かに驚きに目を見開くと目の前の同胞を睨みつけた。