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貴女のお名前は?
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「何やっとるんじゃ、あの阿呆は……」
一日の授業も終わり、グランドで遊ぶ生徒達を教室からなんとはなしに眺めていた夢子は、学校旗を必死で捕まえようとする鵺野の姿を目に留めるとはぁ…と溜息を吐きだした。
ボロボロの体で、それでも必死に支柱をよじ登る鵺野に、小さく笑みを零した夢子はカラリ、と教室の窓を開けるとキン、と目を光らせた。
バサバサとはためいていた旗が一瞬動きを止めたことで解けた幻視の術に、はた…と目を瞬かせた鵺野は狐に摘ままれたように支柱の中間地点でその旗を呆けたように見つめていた。
「ぬ~べ~先生、木登りの練習ですか?」
そう言ってかけられた声にハハ、と笑い教室から自分を見下ろす夢子を見やった鵺野はハッとしたように旗を見やるとその顔を鬼の形相に変え素早い身のこなしで支柱から滑り降りていった。
「うぉのれ~~~玉藻~~~!!!」
そう声を上げてグランドを駆けていく鵺野に、世話が焼ける…と小さく声を漏らした夢子は体育館裏に感じた妖気に面倒くさげに頭をかくと踵を返して教室を出ていった。