夢小説内でのお名前の変更設定
よん
貴女のお名前は?
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なんとか生徒を全員教室に避難させた鵺野達は、卵を産みつけられた克也達を机の上に寝かせると霧の立ち込めるグランドを見下ろした。
「日没まであと30分……。それまでにあの『霊霧魚』を倒さなければ……」
そう声を漏らし奥歯を噛みしめた鵺野はガラリ、と開いた扉に教室へと戻ってきた広達を振り返った。
「ぬ~べ~!言われた通りありったけの網を集めたぜ!」
「ご苦労だったな!よし、コレだけあれば……」
そう言って大量のネットを引きずってきた広達に早速それを縫い合わせる作業に取り掛かった鵺野はナンセンス、とかけられた声に壁に寄りかかり高みの見物を決め込む玉藻を振り返った。
「そんな網であの巨大な霊霧魚を捕まえようというのですか?ヤツの力を侮ってはいけません」
「手伝う気が無いなら黙っててもらおうか。考えがあってやっていることなんだ」
そう言ってフッと鼻で笑った玉藻に、そう言葉を返した鵺野は左手に嵌めていた手袋を外すと左手を網へとかざした。
「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光……霊波封印の術!」
経文を唱えて網に霊力を封じ込めた鵺野に、ソレを見てほぉ、と感嘆の声を漏らした玉藻は同じように机に腰掛けそんな鵺野達を眺める夢子へと視線を向けた。
「貴女は手伝わなくて良いのですか?」
「私、か弱い生徒だから」
そうかけられた声に、網を繋げていく鵺野達を見ていた夢子はふふ、と笑いそう言葉を返すと、小さく眉を顰めた玉藻を一瞥しクツリと喉を震わせた。
「そんなに鳴介の強さの秘密が知りたいのか……?」
「貴女は……知っているようですね」
なんなのです?と楽しげに喉を震わせる自分を見やり怪訝そうに眉を顰めた玉藻に、校庭へと降り網を木へと縛り付けていく鵺野を見ていた夢子は動きだした生徒達を見やると机から腰を上げた。
「手を貸すというのであれば、教えてやらんこともないんじゃが……」
そう言って網を引く生徒の輪に加わった夢子に、何故私が…と声を漏らしますますその眉を顰めた玉藻は、校庭から引き上げられ日の光に晒され暴れ出した霊霧魚を見やると思わず夢子の背に危ない!!と声をかけていた。
「クソッ、無抵抗で攫もうてくれるわけはないか……!!」
網を引きちぎり教室へと突進してきた霊霧魚に、そう苦言を漏らした夢子は窓ガラスに体当たりをした霊霧魚から咄嗟に美樹を庇うとガシャン!!と割れたガラスに小さく顔を歪めた。
「夢子ちゃん!!大丈夫?!!」
「へ、平気平気。それより他の人は怪我はない?」
そう言ってヘラリ、と笑った夢子の腕からはポタポタと血が流れていて、それに泣きそうな顔を浮かべた美樹を見やった夢子はその頭をクシャリと撫でつけた。
「私は大丈夫だから、泣かないで」
「みんなー!ケガはないかー!!」
そう言ってね?と美樹の顔を覗きこんだ夢子は校庭からかけられた声に木の上に立つ鵺野へと視線を向けた。
「こっちは皆無事「夢子ちゃんが怪我をしました!!何をしているんですか、鵺野先生!!」」
心配しないで!と言葉を返そうとした夢子は、自分の言葉を遮りそう鵺野へと声を上げた玉藻にギョッと目を見開いた。
そう言ってどこか自分を睨みつけるように見やった玉藻に、ピクリ、とその眉を動かした鵺野は右腕を押さえる夢子を見やるときつく拳を握りしめ、また霊気の霧の中へと潜っていった霊霧魚を追いかけるように校庭へと姿を消してしまった。
「コレだ……またヤツの霊力が高まっていく……!!」
いったいあの力は…、と声を漏らし校庭へと視線を落としていた玉藻はいい加減にせい、とかけられた声に傍らに立つ夢子へと視線を向けた。
「そうやって鳴介を無暗に煽るでない……!!ヤツはこと生徒の事になると………っ」
そこでグッと言葉を呑みこんだ夢子は大変だ!!と上がった声に広達へと視線を向けた。
「卵が……卵が動きだした……!!」
もう時間がねぇよ!!とパニックになる教室に、校庭へと視線を落とし眉を顰めた夢子は、なぁ!!とかけられた声と掴まれた腕に広へと視線を戻した。
「頼む、夢子さんからも玉藻に言ってくれ!!ぬ~べ~と一緒に霊霧魚と戦ってくれって……!!」
そう言って頼むよ!!と悲痛に顔を歪める広に、チラリ、と玉藻を見やった夢子は郷子の説明を聞いて彼の元に集うクラスメートを見やると困惑した表情を浮かべる玉藻の袖をソッと引いた。
「霊霧魚は火の熱を嫌う。妾とそちの火輪尾の術で彼奴を校庭から引きずり出せばあるいは……」
「な、何故私が……」
「お主が行かぬのなら妾だけでも鳴介を助けに行く」
そう言ってたじろいだ玉藻に、寂しげに眉を下げた夢子はその手をパッと離すとパニックを起こす生徒の間をスルリとすり抜けて校庭へと駆けだした。
そう言って姿の見えなくなった夢子に、お願い…、とその場に泣き崩れる美樹を見やった玉藻はクソッ、と小さく悪態をつくとそんな夢子の背を追うように教室を飛び出していた。