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純愛賛歌【DB/ピッコロ】
貴女のお名前は?
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今日も今日とて人造人間との戦いに備えて修行に励んでいた悟飯は、その場になかなか現れない我が師匠に不思議そうに小首を傾げた。
普段ならば自分よりも早くに荒野へとやってきて先に瞑想をしている彼が、集合時間に遅れているのだ。
そのことにう~ん、と首をかしげていた悟飯は遠くの空に見えた真っ白いマントと緑色にあ!と嬉しそうに声を上げると大きく手を振った。
「ピッコロさーん!」
こっちです!と手を振った悟飯に、その声に気付いたピッコロが悟飯の元へと降りてくる。
トン、と軽い着地音で地面へと降り立ったピッコロに、顔を綻ばせていた悟飯は、その脇に抱えられている人物を見やるとえ…?と声を漏らした。
「あ、あの…ピッコロさん……?その子は……?」
「あぁ、山奥に捨ててあったのでな、拾ってきた」
そう言って脇に抱えていた小さな少女をペイ、と地面へと投げ捨てたピッコロに、コロリと転がった女の子を慌てて起こした悟飯はえ?!を声を上げた。
「そ、それきっと迷子ですよ!!」
そう言ってどうしよう、と声を漏らした悟飯はポカリ、と放心状態の女の子を見やると困ったようにピッコロを見上げた。
少しだけその目に批難の色を浮かべた悟飯に、腕を組んだピッコロはピクリともしない少女を見下ろすと小さく眉を顰めた。
「捨ててあったんだ。嘘だと思うなら本人に聞いてみろ」
そう言って鼻息をついたピッコロに、そんな…、と声を漏らした悟飯は再び少女へと視線を戻した。
どこを歩いてきたのか分からないが泥と煤で汚れた顔と体に、随分とくたびれ所々破れている服を見やった悟飯はパチクリと瞬きをするとその少女の髪へと視線を向けた。
「銀色……」
珍しい、と思わず漏らした声に慌てて口を噤んだ悟飯はポカリ、と未だに口を開け言葉を発しない少女にあの、と声をかけてみた。
「……そら、飛んだ……」
悟飯の声に、ポツリと声を漏らした女の子はソッと自分の頬に手を当てるとギュッとそのほっぺたを抓った。
「痛い……、え?夢じゃない……」
「あぁ、えっと……ボク達は空を飛べるんです」
なんで?と言いたそうな少女に悟飯は苦笑を洩らすとやっと動き出したその子の手を取ると立ち上がらせた。
少しだけふらついた体に、慌ててその子の体を支えた悟飯は再び少女へと視線を向けた。
「あの、君はなんで山奥にいたの……?迷子?」
「え?違うよ。親分に捨てられたの」
もういらない、って。とあっけらかんと答えた少女にえ?!と声を上げた悟飯に、ほら見ろ、と声を漏らしたピッコロ。
「あの、えっ?オヤブン……?」
「そー、親分。盗賊の。子供は人をだますのにもってこいだからって使ってくれてたけど私失敗しちゃって。だから役に立たないからもういらないって」
簀巻きにされて捨てられた。とどこか楽しげに肩を揺らした少女にひどく困惑した表情を浮かべた悟飯は助けを乞うべくピッコロへと視線を向けた。
その視線に、少女を見ていたピッコロは悟飯へと視線を向けた。
「なかなか根性がありそうだったからな。良い暇潰しになるだろう」
そう言ってクツリと喉を震わせたピッコロにえぇ?!と声を上げた悟飯は少女とピッコロを交互に見やった。
「ま、まさか武術を教えるとか言うんじゃ……?!」
「あぁ、その通りだ。なに、本人も拾ってくれるなら何でも良いと言っていたからな」
問題はない、と言ったピッコロに問題大ありですよ!と声を上げた悟飯は困ったように、笑う少女へと視線を戻した。
「ね、ねぇ!修行をするって言っても並大抵の修行じゃないよ?それに君、女の子でしょ?」
修行なんてしたら危ないよ、と声を漏らした悟飯に、そんな悟飯を見やった少女はパチクリと瞬きをするとどこか困ったように笑みを浮かべた。
「今までだって女の子扱いはされてこなかったよ?それにね……ココで捨てられちゃったら私、帰る場所ないから」
そう言ってハハハ、と笑った少女に言葉を詰まらせた悟飯は再びピッコロへと助けを求めた。
「貴様、名は?」
悟飯と少女のやり取りをただ黙って見ていたピッコロは徐に口を開くとそう言った。
それにピッコロを仰ぎ見た少女はキョトリ、と不思議そうに瞬きをするとないよ?と首をかしげた。
「え……?ない?」
「うん、ないよ。親分にも他の人にも『チビ』とか『お前』とかで呼ばれてたから」
気にしてなかったなぁ、なんて声を漏らした少女に悟飯は再び少女のその身なりへと視線を落とした。
ボロボロの薄汚れた服はよく見れば継ぎ接ぎで出来た布きれだったのだ。
泥や煤で汚れた体は所々に切り傷や殴られたあともあり、それを見た悟飯は小さく眉を下げると少女の顔についていた泥を胴着の裾で拭った。
触れる感触がくすぐったかったのか小さくふふ、と肩を揺らした少女は困ったように笑みを浮かべる目の前の少年を見やるとふむ、と声を漏らしたピッコロへと視線を向けた。
「名がなければ呼ぶ時に困るな。俺様が貴様に何か名前をつけてやろう……」
そう言って顎に手を当てジッと自分を見つめるピッコロに、少女は小さく身じろぐと視線を地面へと落とした。
そう言ったピッコロの言葉に、少なからず驚いていた悟飯も黙ってそんなピッコロの言葉を待った。
「……そうだな『夢子』で良いだろう」
「「夢子?」」
そう言ってどこか楽しげに口端を上げたピッコロに復唱した悟飯と『夢子』と名付けられた少女。
「えっと、何か意味でもあるんですか?」
「意味はない。名があった方が呼びやすいだろう」
そう言って自分を見上げた弟子に、顔を上げ不思議そうに自分を見やる夢子を見やったピッコロはそれだけだ、と言うと鼻を鳴らして歩きだしてしまった。
「今日はソイツもいることだ。まずは組み手から始めるとするか」
それに慌てて夢子の手を引いて歩き出した悟飯はそう言ったピッコロに小さく苦笑を洩らすと隣を歩く夢子へと視線を向けた。
「ボク、孫悟飯です。これからよろしくお願いします。夢子ちゃん」
いつの間にか弟子になること前提で話が進んでいるこの状況に、悟飯はそう言うとその小さな手をギュッと握りしめた。
そう言った悟飯に、悟飯を見やり少し前を歩くピッコロを見やった夢子はパァッと顔を綻ばせると目の前の大きな手を握りしめた。
「私、夢子って言うんだ!よろしくね、悟飯君、シショー!」
「ピッコロだ。ガキだからと言って容赦はせんぞ」
そう言って至極嬉しそうに自分の手を掴んだ夢子に、ピッコロは再びフン、と鼻息を漏らすと少しだけ歩調を緩めた。
はじめのいっぽ
普段ならば自分よりも早くに荒野へとやってきて先に瞑想をしている彼が、集合時間に遅れているのだ。
そのことにう~ん、と首をかしげていた悟飯は遠くの空に見えた真っ白いマントと緑色にあ!と嬉しそうに声を上げると大きく手を振った。
「ピッコロさーん!」
こっちです!と手を振った悟飯に、その声に気付いたピッコロが悟飯の元へと降りてくる。
トン、と軽い着地音で地面へと降り立ったピッコロに、顔を綻ばせていた悟飯は、その脇に抱えられている人物を見やるとえ…?と声を漏らした。
「あ、あの…ピッコロさん……?その子は……?」
「あぁ、山奥に捨ててあったのでな、拾ってきた」
そう言って脇に抱えていた小さな少女をペイ、と地面へと投げ捨てたピッコロに、コロリと転がった女の子を慌てて起こした悟飯はえ?!を声を上げた。
「そ、それきっと迷子ですよ!!」
そう言ってどうしよう、と声を漏らした悟飯はポカリ、と放心状態の女の子を見やると困ったようにピッコロを見上げた。
少しだけその目に批難の色を浮かべた悟飯に、腕を組んだピッコロはピクリともしない少女を見下ろすと小さく眉を顰めた。
「捨ててあったんだ。嘘だと思うなら本人に聞いてみろ」
そう言って鼻息をついたピッコロに、そんな…、と声を漏らした悟飯は再び少女へと視線を戻した。
どこを歩いてきたのか分からないが泥と煤で汚れた顔と体に、随分とくたびれ所々破れている服を見やった悟飯はパチクリと瞬きをするとその少女の髪へと視線を向けた。
「銀色……」
珍しい、と思わず漏らした声に慌てて口を噤んだ悟飯はポカリ、と未だに口を開け言葉を発しない少女にあの、と声をかけてみた。
「……そら、飛んだ……」
悟飯の声に、ポツリと声を漏らした女の子はソッと自分の頬に手を当てるとギュッとそのほっぺたを抓った。
「痛い……、え?夢じゃない……」
「あぁ、えっと……ボク達は空を飛べるんです」
なんで?と言いたそうな少女に悟飯は苦笑を洩らすとやっと動き出したその子の手を取ると立ち上がらせた。
少しだけふらついた体に、慌ててその子の体を支えた悟飯は再び少女へと視線を向けた。
「あの、君はなんで山奥にいたの……?迷子?」
「え?違うよ。親分に捨てられたの」
もういらない、って。とあっけらかんと答えた少女にえ?!と声を上げた悟飯に、ほら見ろ、と声を漏らしたピッコロ。
「あの、えっ?オヤブン……?」
「そー、親分。盗賊の。子供は人をだますのにもってこいだからって使ってくれてたけど私失敗しちゃって。だから役に立たないからもういらないって」
簀巻きにされて捨てられた。とどこか楽しげに肩を揺らした少女にひどく困惑した表情を浮かべた悟飯は助けを乞うべくピッコロへと視線を向けた。
その視線に、少女を見ていたピッコロは悟飯へと視線を向けた。
「なかなか根性がありそうだったからな。良い暇潰しになるだろう」
そう言ってクツリと喉を震わせたピッコロにえぇ?!と声を上げた悟飯は少女とピッコロを交互に見やった。
「ま、まさか武術を教えるとか言うんじゃ……?!」
「あぁ、その通りだ。なに、本人も拾ってくれるなら何でも良いと言っていたからな」
問題はない、と言ったピッコロに問題大ありですよ!と声を上げた悟飯は困ったように、笑う少女へと視線を戻した。
「ね、ねぇ!修行をするって言っても並大抵の修行じゃないよ?それに君、女の子でしょ?」
修行なんてしたら危ないよ、と声を漏らした悟飯に、そんな悟飯を見やった少女はパチクリと瞬きをするとどこか困ったように笑みを浮かべた。
「今までだって女の子扱いはされてこなかったよ?それにね……ココで捨てられちゃったら私、帰る場所ないから」
そう言ってハハハ、と笑った少女に言葉を詰まらせた悟飯は再びピッコロへと助けを求めた。
「貴様、名は?」
悟飯と少女のやり取りをただ黙って見ていたピッコロは徐に口を開くとそう言った。
それにピッコロを仰ぎ見た少女はキョトリ、と不思議そうに瞬きをするとないよ?と首をかしげた。
「え……?ない?」
「うん、ないよ。親分にも他の人にも『チビ』とか『お前』とかで呼ばれてたから」
気にしてなかったなぁ、なんて声を漏らした少女に悟飯は再び少女のその身なりへと視線を落とした。
ボロボロの薄汚れた服はよく見れば継ぎ接ぎで出来た布きれだったのだ。
泥や煤で汚れた体は所々に切り傷や殴られたあともあり、それを見た悟飯は小さく眉を下げると少女の顔についていた泥を胴着の裾で拭った。
触れる感触がくすぐったかったのか小さくふふ、と肩を揺らした少女は困ったように笑みを浮かべる目の前の少年を見やるとふむ、と声を漏らしたピッコロへと視線を向けた。
「名がなければ呼ぶ時に困るな。俺様が貴様に何か名前をつけてやろう……」
そう言って顎に手を当てジッと自分を見つめるピッコロに、少女は小さく身じろぐと視線を地面へと落とした。
そう言ったピッコロの言葉に、少なからず驚いていた悟飯も黙ってそんなピッコロの言葉を待った。
「……そうだな『夢子』で良いだろう」
「「夢子?」」
そう言ってどこか楽しげに口端を上げたピッコロに復唱した悟飯と『夢子』と名付けられた少女。
「えっと、何か意味でもあるんですか?」
「意味はない。名があった方が呼びやすいだろう」
そう言って自分を見上げた弟子に、顔を上げ不思議そうに自分を見やる夢子を見やったピッコロはそれだけだ、と言うと鼻を鳴らして歩きだしてしまった。
「今日はソイツもいることだ。まずは組み手から始めるとするか」
それに慌てて夢子の手を引いて歩き出した悟飯はそう言ったピッコロに小さく苦笑を洩らすと隣を歩く夢子へと視線を向けた。
「ボク、孫悟飯です。これからよろしくお願いします。夢子ちゃん」
いつの間にか弟子になること前提で話が進んでいるこの状況に、悟飯はそう言うとその小さな手をギュッと握りしめた。
そう言った悟飯に、悟飯を見やり少し前を歩くピッコロを見やった夢子はパァッと顔を綻ばせると目の前の大きな手を握りしめた。
「私、夢子って言うんだ!よろしくね、悟飯君、シショー!」
「ピッコロだ。ガキだからと言って容赦はせんぞ」
そう言って至極嬉しそうに自分の手を掴んだ夢子に、ピッコロは再びフン、と鼻息を漏らすと少しだけ歩調を緩めた。
はじめのいっぽ
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