夢小説内でのお名前の変更設定
金色猫とタンゴ
貴女のお名前は?
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平日の昼下がり、一人学校を脱け出し街中をブラついていた夢子はポン!と叩かれた肩に携帯に落としていた視線を上げると不思議そうに後ろを振り返った。
「よぉ!夢子、久しぶりだなぁ!」
「あぁ、シャンクスさん。久しぶり、です」
そう言って満面の笑みを浮かべるアカガミコーポレーションの社長を見やった夢子は、その後ろに立つベックマンへと視線を向けると手にしていた携帯をポケットへとしまった。
「ベンさんも、久しぶり」
「あぁ、久しぶりだな」
そう言ってベックマンとシャンクスへと軽く会釈をした夢子は、そう言葉を返し紫煙を吐きだしたベックマンからシャンクスへと視線を戻すとこんな所でどうしたの?と不思議そうに小首を傾げた。
「いやぁ、お前の後ろ姿みかけてなぁ!どーだ?この間やったチーズケーキ、美味かっただろ?」
「ぇ……?あ、ぁ……ウン!アリガトー!」
そう言ってニッコニッコと笑みを浮かべるシャンクスに、マルコと一緒に食べたソレを思い出した夢子は、土産と称して渡されたソレに『ルフィと一緒に食え!』と満面の笑みを浮かべていたシャンクスを思い出すと、ソッと気まずそうにそんなシャンクスから視線を逸らしアハハ、とカラ笑いを浮かべてみせた。
「丁度良い!どうだ夢子?これから一緒にメシでも「そんな暇はねぇぞ、シャンクス」」
どこか気まずそうに自分から視線を逸らす夢子にも気付くことなくそう言葉を続けたシャンクスは、間髪いれずそんな自分の提案をピシャリ、と跳ね除けたベックマンにヴッ…と言葉を詰まらせた。
「す、少しぐらい良いじゃねぇか!!久しぶりに夢子に会ったんだぞ?!」
そう言って自分を批難の目で見下ろすベックマンに、ベンのケチ!と声を上げたシャンクスはまるで子供のように不貞腐れていて、そんな自社の社長を見やったベックマンはその側で苦笑を洩らす夢子をチラリ、と見やると諦めたように深々と溜息を吐きだした。
「しょうがねぇな………だったらその辺の喫茶店にしろ」
「ヨシ!流石はベンだ!おい夢子!メシ行くぞメシ!」
「ぇ?ちょっ、シャンクスさん?!!」
そう言って近くの喫茶店を指差したベックマンに、ニンマリと満面の笑みを浮かべたシャンクスは呆ける夢子の手を引くとその喫茶店へと入って行ったのだった。
いらっしゃいませー、とかけられた声に、ズンズンと奥の席へと進むシャンクスに手を引かれテーブル席へと座った夢子は、外で煙草を噴かすベックマンを見やると正面のソファーに腰掛けたシャンクスへと視線を向けた。
「ベンさんは良かったんですか……?」
「あー、アイツは移動中でも仕事してぇってヤツだからな」
それより何食う?と早速メニュー表を開いたシャンクスに、もう一度ベックマンへと視線を向けた夢子は、携帯電話で誰かと話しをしている副社長を見やると、正面のアカガミコーポレーションの社長へと視線を戻した。
(なんだろ……、社長の側近って苦労人しかなれないのかな……)
コレ美味そうだなぁ!とページを捲りながら声を弾ませるシャンクスに、そう言ってな!と満面の笑みで自分を見やったシャンクスを見やり小さく苦笑を洩らした夢子もご飯を選ぶべくメニュー表へと視線を落したのだった。
暫くして運ばれてきたカルボナーラとボンゴレに、早速ボンゴレを食べ始めたシャンクスを見やった夢子は器用に右手だけを使いスパゲッティをフォークに絡めるシャンクスに、同じようにフォークとスプーンを手に取るとカルボナーラへと手を伸ばした。
「どーだ?学校は楽しいか?」
「んー、まぁまぁですよ。結構生徒指導の先生が厳しくて」
今日も脱け出して来た、とかけた声に苦笑を漏らしてカルボナーラを口へと運んだ夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスはそうか、とどこか楽しげに夢子へと言葉を返すとパスタへとフォークを突き刺した。
「ルフィやエース達は元気してるか?」
「エースは相変わらず喧嘩してますよ、ルフィは高校上がってからまた友達増えたらしくて」
毎日楽しそう、とその顔を綻ばせた夢子に、最近ではあまり顔を合わせることもなくなってしまった小さな友人を思い出したシャンクスは元気ならそれで良い、と同じように笑みを浮かべるとクルリ、とフォークへとパスタを巻き付けた。
「シャンクスさんは相変わらず忙しそうですねー」
「んー、まぁなー。つい昨日コッチに帰ってきたばっかだってのに明日にゃまたロンドンなんだぜー?」
あー、ゆっくりしてぇ…、と声を漏らし首を項垂れたシャンクスに、ついこの間までイタリアに行っていた目の前の社長を見やった夢子は、多忙だな…と小さく苦笑を洩らすとそんなシャンクスへとお疲れ様です、と労いの声をかけていた。
「それはそうと、お前高校卒業したら就職すんのか?」
「え?あー、まぁ、一応はそのつもりです」
そう言って自分へと視線を向けたシャンクスに、ちょうど学校でも進路調査が始まったのを思い出した夢子は、そう言葉を濁らせると手元のカルボナーラへと視線を落した。
どこか悩ましげな表情でパスタを口へと運ぶ夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスはひっそりと笑みを浮かべるととパクリとパスタを頬張った。
「候補はあんのか?」
「適当に求人は見たけど、コレと言ってピンとくるものはなかったかなぁ……」
そう言ってハハハ、と苦笑を洩らした夢子に、まぁ適当に就職出来ればソレで良いですよ、と自分へと苦い笑みを向けた夢子を見やったシャンクスはそうか…、とどこか納得いかなさそうに言葉を返すとカラになったお皿にフォークを滑らせ、近くを通った店員を呼びとめていた。
「まぁもし行くあてがなけりゃぁウチにくりゃぁ良いさ!」
「シャンクスさんの所って……たしか大卒しか募集してなかったですよね?」
そう言って食後の珈琲とデザートを頼むシャンクスに、そんなシャンクスを見やった夢子は流石に大学行くお金はない、と苦笑を洩らすと、自分へと視線を戻しその顔にどこか楽しげな笑みを浮かべたシャンクスを見やるとキョトリ、と目を瞬かせた。
「社長の俺が構わねぇって言ってんだ、高卒だろうがなんだろうが問題ねぇよ」
そう言ってダッハッハ!と楽しげに笑ったシャンクスに、似たような事を言っていたバロックワークスの社長を思い出した夢子は大概この人も甘いな…、と苦笑を洩らすとそんなシャンクスにありがとうございます、と言葉を返したのだった。
「あ……」
食後のデザートを食べながら取りとめのない話しをシャンクスとしていた夢子は、ふと外へと向けた視線に、街中を歩く見知った後ろ姿を見つけると思わずそう声を漏らしていた。
それに次のお土産は何が良いか、と夢子へと聞いていたシャンクスは、きっと知人でも居たのだろう外へと視線を向ける夢子にそんな夢子を見やると、同じように通りへと視線を向けた。
「お、マルコじゃねぇか」
「え……?シャンクスさんマルコのこと知ってるの……?」
たまたま見つけた知り合いの姿に、きっと外回りの最中なんだろうスーツ姿で通りを歩くマルコの姿に、そう声を漏らしたシャンクスは、そう言った自分に視線を戻し不思議そうに目を瞬かせた夢子を見やると同じようにキョトリ、と目を瞬かせた。
「知ってるもなにも、白ひげカンパニーとウチは何かと接点が多いからな」
アイツとも良く顔を会わせんだ、と通りを歩くマルコに後ろ指を差したシャンクスは、そんな自分から通りへと視線を戻し、ヘェーと声を漏らした夢子を見やると、視線でマルコを追いかける夢子にはた、と目を瞬かせ小さくその眉根を顰めさせた。
「お前は、なんでマルコのこと知ってんだ?社会人なんかそうそう接点もねぇだろ?」
「まぁ……ちょっと、色々あって。お世話になったりしてる……かな」
そう、どこか窺うように自分を見やったシャンクスに、その表情を険しくさせるシャンクスを見やりソッとそんなシャンクスから視線を逸らした夢子は気まずそうにそう声を漏らすと小さく身じろいだ。
「へぇ……世話に、なぁ」
そう言ってテーブルへと視線を落してしまった夢子に、釈然としない声を漏らしたシャンクスは、それでもコレ以上問い詰めるのも彼女のプライバシーに関わるか、と小さく溜息を吐きだすと諦めたようにソファーへと深く凭れかかった。
そのまま口籠ってしまった夢子に、なんか話題ねぇかなぁ、と珈琲片手に俯く夢子を悩ましげに見ていたシャンクスは、不意に自分へと視線を向けた夢子にキョトリと目を瞬かせるとヘラリ、とそんな夢子へと笑みを浮かべてみせた。
「あ、のさ……シャンクスさんにちょっと、聞きたい事があるんだけど……」
「お!なんだなんだ?」
そう、やっと口を開いた夢子に、手にしていた珈琲カップをテーブルへと置いたシャンクスは、そう言った夢子にその顔に笑みを浮かべると何でも聞いてくれ!と凭れかかっていたソファーから夢子へと身を乗り出した。
「あー……、その……シャンクスさんから見たマルコって、どんな人?」
そう言って自分を見やる夢子に、周りの人間にたいした興味も示さなかったあの少女が『マルコ』と言う人物に興味を示したことに、キョトリ、と目を瞬かせそんな夢子を呆けたように見ていたシャンクスは、シャンクスさん?と不思議そうに自分へと声をかけた夢子にあぁ…、と声を漏らすとテーブルへと乗り出していた体をソファーへと沈めた。
「どんな、なぁ……白ひげカンパニーの部長殿?」
「や……ソレは知ってる」
どこか面倒くさげに天を仰ぎそう言ったシャンクスは納得できねぇ、と小さく悪態をついていて、そんな自分にそう言葉を返した夢子を見やったシャンクスはやっぱ出来る人なの?と自分へと声をかけ小首を傾げた夢子に小さく溜息を吐きだすと上体を戻しテーブルへと頬杖をついた。
「まぁ……今は一課の部長に留まっちゃぁいるが、実質白ひげのオヤッサンの右腕みてぇなもんだよ、マルコは。頭はキレるし行動力もある。下のモン束ねる力もあるし周りからの信頼も厚い。ぶっちゃけウチに欲しいぐらいだぜ?」
そう言ってハン、と鼻息を漏らしたシャンクスに、良い人材捕まえやがって、と小さく悪態をつくシャンクスを見やった夢子は、世話焼きな一面しか知らないマルコの、別の一面を見た気がしてはぁ…、と感嘆の声を漏らしていた。
「シャンクスさんがそこまでいうなんて、珍しいですね」
「隙あらば引き抜くつもりだぜ!」
そう言った自分にダッハッハ!と楽しげに笑ったシャンクスを見やった夢子は、滅多に他社の人間を褒めない目の前のアカガミコーポレーションの社長に驚きに目を瞬かせると、もう見えなくなったマルコの姿を探す様通りへと視線を向けた。
「マルコって……凄い人だったんだ……」
そうポツリと零された言葉に、通りに視線を向ける夢子の横顔を見やったシャンクスはその眉に皺を寄せると冷めてしまった珈琲を喉へと流し込んだ。
「俺だってアカガミの社長で偉いんだぞ……」
「え?そんなの当たり前じゃないですか」
そう憮然としたように声を漏らしたシャンクスは、シャンクスさんの凄さは十分分かってますよ、と苦笑を洩らした夢子を見やると、まったく自分の気持ちに気づいていない目の前の少女に深々と溜息を吐きだしていた。
「面白くねぇ……」
「え…?なに?どうしたの……?」
そう言ってムスッとした表情を浮かべ自分から顔を背けてしまったシャンクスに、頬杖をついてどこか不貞腐れるシャンクスを見やった夢子はただただ不思議そうに目を瞬かせるのだった。
暫くして何事もなかったかのようにまた喋り出したシャンクスに、取りとめのない話しをしていた夢子はカラン、と鳴ったベルの音にこちらへとやってきたベックマンを見やると、壁にかけてあった時計へと視線を向けた。
「おい、シャンクスそろそろ時間だ」
「えー?まだ30分しか話してねぇぜ……?」
そう言って自分を見下ろしたベックマンに、そう抗議の声を上げたシャンクスはもっと夢子と話す~、とまるで子供が駄々をこねるようにそんなベックマンからフン、と顔を背けた。
「30分『も』時間が圧してんだっ!!さっさと動かねぇとその首に縄つけて引きずりまわすぞ!!」
「ヤだベンったら怖い♡」
相変わらずの性格の目の前の上司に、そう声を荒げたベックマンはそんな自分を見て茶目っ気たっぷりに頬に右手を添えたシャンクスを見やると、ピキリ、とその額に青筋を浮かべた。
「良いか、シャンクス……。今後一切夢子との接触を絶たれたくなきゃぁ今すぐそのソファーから立ちやがれっ……!!」
「あー……、シャンクスさん。また今度ゆっくり話しましょ?」
グシャリ、と握り潰された煙草に、今にも噴火しそうなベックマンを見やった夢子がそう堪らずシャンクスへと声をかけていた。
どこか少しだけ困ったように笑みを浮かべる夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスは小さく溜息を吐きだすと2杯目の珈琲を飲み干しソファーから腰を上げた。
「しゃぁねぇなぁ………。おい、ベンさっさと行くぞ」
「っ~~~、誰のせいで時間圧してると思ってんだっ……!!」
そう言って時間がねぇ、とベックマンの肩を叩いたシャンクスはそう声を荒げ自分を睨みつけたベックマンを一瞥すると、苦笑を洩らす夢子へと視線を落した。
「じゃぁな、夢子!ゆっくりしてけ!」
そう言って快活な笑みを浮かべ伝票を手にさっさとその場を去っていくシャンクスに、小さく溜息を吐きだし自分へと後ろ手を振ったベックマンを見送った夢子は、相変わらずな関係の二人を見やると小さく苦笑を洩らしたのだった。
後ろへと流れて行く景色に、後部座席に座っていたシャンクスはその眉根に小さく皺を寄せるとなぁ、と車を運転するベックマンへと声をかけた。
「なんだ?」
「『不二野マルコ』と『夢子・夢野』はどういう関係だ……?」
そう、ひどく神妙な面持ちで自分へと声をかけてきたシャンクスに、ルームミラーに映るシャンクスの顔をチラリ、と見やったベックマンは咥えていた煙草の煙を吐きだすと赤に変わった信号にピタリ、と車を停車させた。
「………少し前のことだが、夢子が男2人にやられてた所をマルコが助けたらしい。随分と仲が良いみてぇだな」
「おっ、前っ……!!なんで『ソレ』を知ってて俺に報告しなかった……?!!」
そう言った自分に声を上げ前席へと身を乗り出したシャンクスに、青へと変わった信号に再び車を動かしたベックマンは引力で後ろへと倒れ込んだシャンクスを一瞥すると呆れたように小さく溜息を吐きだした。
「良いかシャンクス。例えどんなに夢子の事が大事だろうと、お前のやってる事ぁ犯罪一歩手前だ」
友人の近辺調査なんざ普通しねぇぞ、と咎めるように声を漏らしたベックマンにヴッと言葉を詰まらせたシャンクスはそんなベックマンからソッと視線を逸らすとイスへと座りなおした。
「今回の事も、マルコが夢子を助けた時点で解決してんだ。わざわざお前に報告する必要がなかった。それだけのことだ」
そう言って煙草の煙を吐きだしたベックマンに、そんなベックマンをチラリ、と伺い見たシャンクスは小さく息をつくと頬杖をつき、窓ガラスの向こうの景色へと視線を投げやった。
「夢子が………アイツのこと『マルコ』って呼んでたんだよ……。俺の事はシャンクス『さん』って呼んでんのに…………クロコダイルや他の奴らだって敬称付けて呼んでんだぜ……?」
なんでマルコだけ…、と小さく声を漏らしその眉間に皺を増やしたシャンクスに、そんなシャンクスをルームミラー越しに見やったベックマンは、こうなるから言わねぇでおいたのに…、と一度機嫌を損ねるとなかなかに面倒な社長に、そう小さく溜息を吐きだすと見えてきた会社に車のスピードを緩めた。
「一応は付き合ってはねぇらしいがな」
「っ!!だよなー!アイツは女の事になるとまるっきり疎いからなー!」
そうなけなしのようにかけた言葉は予想以上にシャンクスの気分を上昇させたらしく、そう言ってダッハッハ!と笑うシャンクスを見やったベックマンは、気はあるみてぇだぞ、と口から出掛けた言葉をグッと呑み込むと、そんなシャンクスから視線を逸らしふぅー、と紫煙を吐きだしたのだった。
密やかに想う
SSオマケ→
「それじゃぁまた企画書が出来次第コッチに資料を持ってこさせるよぃ」
そう言って腰かけていたイスから立ち上がったマルコに、鞄を手に帰り支度をするマルコをジッと見つめていたシャンクスはきっちりとスーツを着こなすマルコに、その眉根を顰めると深々と息を吐きだした。
「こんな頭が南国果実みてぇなヤツの何処が良いんだよ………」
「………あ?」
そう言って納得できねぇ、と小さく零しフン、とマルコから顔を背け長テーブルに頬杖をついたシャンクスに、突然暴言を吐きかけられたマルコはパチクリ、と目を瞬かせるとどこか不貞腐れるシャンクスを見やりその眉を怪訝そうに顰めさせた。
「今日はまた一段と機嫌が悪いみたいだねぃ」
「あー……、すまん。気にするな。少し虫の居所が悪いだけだ」
打ち合わせ中も終始その眉間に皺を寄せどこか自分を睨みつけるように見ていたシャンクスに、そう呆れた様に声を漏らしたマルコは、そう言って不貞腐れるシャンクスの頭を叩いたベックマンを見やると、小さく溜息を吐き出した。
「別にアンタの機嫌が悪かろうがなんだろうがコッチは仕事に支障がでなけりゃソレで構わねぇよぃ」
そう言ってシャンクスとベックマンへと会釈をしたマルコは未だ不貞腐れるシャンクスを一瞥すると会議室を出て行った。
パタン、と静かに閉じられた扉に、そんなマルコの背を横目に見ていたシャンクスはケッ、と気に食わなさそうに声を漏らすと再び頭に落ちてきた拳骨にグッと声を詰まらせた。
「いい加減にしねぇか、シャンクス。仕事に私情を持ちこむんじゃねぇよ」
「だってよベン!あのマルコの澄ました顔見たかよ?!!俺なんかこの間やっと久しぶりに夢子とメシ行けたってのに、アイツは飄々とした顔でこの後きっと夢子に会いに行くんだぜ?!」
そう言ってやってられるか!と声を上げ自分に批難の視線を向けてきたシャンクスに、最近一段と忙しくなった事業に休む暇なく働く目の前の社長を見やったベックマンは、流石に限界か…、と愚痴は零すが仕事はしっかりとこなすシャンクスに、それでもまるで子供が駄々をこねるように不貞腐れるシャンクスを見やるとほとほと困ったように溜息を吐きだし手にしていた煙草を灰皿へと押しつけた。
「しかたねぇな……今回のプロジェクトが終わったら、暫くはアンタの好きなように行動すりゃぁいい……」
「ホントか?!やっぱナシ、とか言うんじゃねぇぞ?!」
そう言ってヤッター!と子供さながらに喜ぶシャンクスに、きっと暇が出来れば即効夢子の元へと向かうであろう目の前の上司を見やったベックマンは三度溜息を吐きだすと、顔を綻ばせるシャンクスにひっそりと笑みを零したのだった。
「よぉ!夢子、久しぶりだなぁ!」
「あぁ、シャンクスさん。久しぶり、です」
そう言って満面の笑みを浮かべるアカガミコーポレーションの社長を見やった夢子は、その後ろに立つベックマンへと視線を向けると手にしていた携帯をポケットへとしまった。
「ベンさんも、久しぶり」
「あぁ、久しぶりだな」
そう言ってベックマンとシャンクスへと軽く会釈をした夢子は、そう言葉を返し紫煙を吐きだしたベックマンからシャンクスへと視線を戻すとこんな所でどうしたの?と不思議そうに小首を傾げた。
「いやぁ、お前の後ろ姿みかけてなぁ!どーだ?この間やったチーズケーキ、美味かっただろ?」
「ぇ……?あ、ぁ……ウン!アリガトー!」
そう言ってニッコニッコと笑みを浮かべるシャンクスに、マルコと一緒に食べたソレを思い出した夢子は、土産と称して渡されたソレに『ルフィと一緒に食え!』と満面の笑みを浮かべていたシャンクスを思い出すと、ソッと気まずそうにそんなシャンクスから視線を逸らしアハハ、とカラ笑いを浮かべてみせた。
「丁度良い!どうだ夢子?これから一緒にメシでも「そんな暇はねぇぞ、シャンクス」」
どこか気まずそうに自分から視線を逸らす夢子にも気付くことなくそう言葉を続けたシャンクスは、間髪いれずそんな自分の提案をピシャリ、と跳ね除けたベックマンにヴッ…と言葉を詰まらせた。
「す、少しぐらい良いじゃねぇか!!久しぶりに夢子に会ったんだぞ?!」
そう言って自分を批難の目で見下ろすベックマンに、ベンのケチ!と声を上げたシャンクスはまるで子供のように不貞腐れていて、そんな自社の社長を見やったベックマンはその側で苦笑を洩らす夢子をチラリ、と見やると諦めたように深々と溜息を吐きだした。
「しょうがねぇな………だったらその辺の喫茶店にしろ」
「ヨシ!流石はベンだ!おい夢子!メシ行くぞメシ!」
「ぇ?ちょっ、シャンクスさん?!!」
そう言って近くの喫茶店を指差したベックマンに、ニンマリと満面の笑みを浮かべたシャンクスは呆ける夢子の手を引くとその喫茶店へと入って行ったのだった。
いらっしゃいませー、とかけられた声に、ズンズンと奥の席へと進むシャンクスに手を引かれテーブル席へと座った夢子は、外で煙草を噴かすベックマンを見やると正面のソファーに腰掛けたシャンクスへと視線を向けた。
「ベンさんは良かったんですか……?」
「あー、アイツは移動中でも仕事してぇってヤツだからな」
それより何食う?と早速メニュー表を開いたシャンクスに、もう一度ベックマンへと視線を向けた夢子は、携帯電話で誰かと話しをしている副社長を見やると、正面のアカガミコーポレーションの社長へと視線を戻した。
(なんだろ……、社長の側近って苦労人しかなれないのかな……)
コレ美味そうだなぁ!とページを捲りながら声を弾ませるシャンクスに、そう言ってな!と満面の笑みで自分を見やったシャンクスを見やり小さく苦笑を洩らした夢子もご飯を選ぶべくメニュー表へと視線を落したのだった。
暫くして運ばれてきたカルボナーラとボンゴレに、早速ボンゴレを食べ始めたシャンクスを見やった夢子は器用に右手だけを使いスパゲッティをフォークに絡めるシャンクスに、同じようにフォークとスプーンを手に取るとカルボナーラへと手を伸ばした。
「どーだ?学校は楽しいか?」
「んー、まぁまぁですよ。結構生徒指導の先生が厳しくて」
今日も脱け出して来た、とかけた声に苦笑を漏らしてカルボナーラを口へと運んだ夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスはそうか、とどこか楽しげに夢子へと言葉を返すとパスタへとフォークを突き刺した。
「ルフィやエース達は元気してるか?」
「エースは相変わらず喧嘩してますよ、ルフィは高校上がってからまた友達増えたらしくて」
毎日楽しそう、とその顔を綻ばせた夢子に、最近ではあまり顔を合わせることもなくなってしまった小さな友人を思い出したシャンクスは元気ならそれで良い、と同じように笑みを浮かべるとクルリ、とフォークへとパスタを巻き付けた。
「シャンクスさんは相変わらず忙しそうですねー」
「んー、まぁなー。つい昨日コッチに帰ってきたばっかだってのに明日にゃまたロンドンなんだぜー?」
あー、ゆっくりしてぇ…、と声を漏らし首を項垂れたシャンクスに、ついこの間までイタリアに行っていた目の前の社長を見やった夢子は、多忙だな…と小さく苦笑を洩らすとそんなシャンクスへとお疲れ様です、と労いの声をかけていた。
「それはそうと、お前高校卒業したら就職すんのか?」
「え?あー、まぁ、一応はそのつもりです」
そう言って自分へと視線を向けたシャンクスに、ちょうど学校でも進路調査が始まったのを思い出した夢子は、そう言葉を濁らせると手元のカルボナーラへと視線を落した。
どこか悩ましげな表情でパスタを口へと運ぶ夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスはひっそりと笑みを浮かべるととパクリとパスタを頬張った。
「候補はあんのか?」
「適当に求人は見たけど、コレと言ってピンとくるものはなかったかなぁ……」
そう言ってハハハ、と苦笑を洩らした夢子に、まぁ適当に就職出来ればソレで良いですよ、と自分へと苦い笑みを向けた夢子を見やったシャンクスはそうか…、とどこか納得いかなさそうに言葉を返すとカラになったお皿にフォークを滑らせ、近くを通った店員を呼びとめていた。
「まぁもし行くあてがなけりゃぁウチにくりゃぁ良いさ!」
「シャンクスさんの所って……たしか大卒しか募集してなかったですよね?」
そう言って食後の珈琲とデザートを頼むシャンクスに、そんなシャンクスを見やった夢子は流石に大学行くお金はない、と苦笑を洩らすと、自分へと視線を戻しその顔にどこか楽しげな笑みを浮かべたシャンクスを見やるとキョトリ、と目を瞬かせた。
「社長の俺が構わねぇって言ってんだ、高卒だろうがなんだろうが問題ねぇよ」
そう言ってダッハッハ!と楽しげに笑ったシャンクスに、似たような事を言っていたバロックワークスの社長を思い出した夢子は大概この人も甘いな…、と苦笑を洩らすとそんなシャンクスにありがとうございます、と言葉を返したのだった。
「あ……」
食後のデザートを食べながら取りとめのない話しをシャンクスとしていた夢子は、ふと外へと向けた視線に、街中を歩く見知った後ろ姿を見つけると思わずそう声を漏らしていた。
それに次のお土産は何が良いか、と夢子へと聞いていたシャンクスは、きっと知人でも居たのだろう外へと視線を向ける夢子にそんな夢子を見やると、同じように通りへと視線を向けた。
「お、マルコじゃねぇか」
「え……?シャンクスさんマルコのこと知ってるの……?」
たまたま見つけた知り合いの姿に、きっと外回りの最中なんだろうスーツ姿で通りを歩くマルコの姿に、そう声を漏らしたシャンクスは、そう言った自分に視線を戻し不思議そうに目を瞬かせた夢子を見やると同じようにキョトリ、と目を瞬かせた。
「知ってるもなにも、白ひげカンパニーとウチは何かと接点が多いからな」
アイツとも良く顔を会わせんだ、と通りを歩くマルコに後ろ指を差したシャンクスは、そんな自分から通りへと視線を戻し、ヘェーと声を漏らした夢子を見やると、視線でマルコを追いかける夢子にはた、と目を瞬かせ小さくその眉根を顰めさせた。
「お前は、なんでマルコのこと知ってんだ?社会人なんかそうそう接点もねぇだろ?」
「まぁ……ちょっと、色々あって。お世話になったりしてる……かな」
そう、どこか窺うように自分を見やったシャンクスに、その表情を険しくさせるシャンクスを見やりソッとそんなシャンクスから視線を逸らした夢子は気まずそうにそう声を漏らすと小さく身じろいだ。
「へぇ……世話に、なぁ」
そう言ってテーブルへと視線を落してしまった夢子に、釈然としない声を漏らしたシャンクスは、それでもコレ以上問い詰めるのも彼女のプライバシーに関わるか、と小さく溜息を吐きだすと諦めたようにソファーへと深く凭れかかった。
そのまま口籠ってしまった夢子に、なんか話題ねぇかなぁ、と珈琲片手に俯く夢子を悩ましげに見ていたシャンクスは、不意に自分へと視線を向けた夢子にキョトリと目を瞬かせるとヘラリ、とそんな夢子へと笑みを浮かべてみせた。
「あ、のさ……シャンクスさんにちょっと、聞きたい事があるんだけど……」
「お!なんだなんだ?」
そう、やっと口を開いた夢子に、手にしていた珈琲カップをテーブルへと置いたシャンクスは、そう言った夢子にその顔に笑みを浮かべると何でも聞いてくれ!と凭れかかっていたソファーから夢子へと身を乗り出した。
「あー……、その……シャンクスさんから見たマルコって、どんな人?」
そう言って自分を見やる夢子に、周りの人間にたいした興味も示さなかったあの少女が『マルコ』と言う人物に興味を示したことに、キョトリ、と目を瞬かせそんな夢子を呆けたように見ていたシャンクスは、シャンクスさん?と不思議そうに自分へと声をかけた夢子にあぁ…、と声を漏らすとテーブルへと乗り出していた体をソファーへと沈めた。
「どんな、なぁ……白ひげカンパニーの部長殿?」
「や……ソレは知ってる」
どこか面倒くさげに天を仰ぎそう言ったシャンクスは納得できねぇ、と小さく悪態をついていて、そんな自分にそう言葉を返した夢子を見やったシャンクスはやっぱ出来る人なの?と自分へと声をかけ小首を傾げた夢子に小さく溜息を吐きだすと上体を戻しテーブルへと頬杖をついた。
「まぁ……今は一課の部長に留まっちゃぁいるが、実質白ひげのオヤッサンの右腕みてぇなもんだよ、マルコは。頭はキレるし行動力もある。下のモン束ねる力もあるし周りからの信頼も厚い。ぶっちゃけウチに欲しいぐらいだぜ?」
そう言ってハン、と鼻息を漏らしたシャンクスに、良い人材捕まえやがって、と小さく悪態をつくシャンクスを見やった夢子は、世話焼きな一面しか知らないマルコの、別の一面を見た気がしてはぁ…、と感嘆の声を漏らしていた。
「シャンクスさんがそこまでいうなんて、珍しいですね」
「隙あらば引き抜くつもりだぜ!」
そう言った自分にダッハッハ!と楽しげに笑ったシャンクスを見やった夢子は、滅多に他社の人間を褒めない目の前のアカガミコーポレーションの社長に驚きに目を瞬かせると、もう見えなくなったマルコの姿を探す様通りへと視線を向けた。
「マルコって……凄い人だったんだ……」
そうポツリと零された言葉に、通りに視線を向ける夢子の横顔を見やったシャンクスはその眉に皺を寄せると冷めてしまった珈琲を喉へと流し込んだ。
「俺だってアカガミの社長で偉いんだぞ……」
「え?そんなの当たり前じゃないですか」
そう憮然としたように声を漏らしたシャンクスは、シャンクスさんの凄さは十分分かってますよ、と苦笑を洩らした夢子を見やると、まったく自分の気持ちに気づいていない目の前の少女に深々と溜息を吐きだしていた。
「面白くねぇ……」
「え…?なに?どうしたの……?」
そう言ってムスッとした表情を浮かべ自分から顔を背けてしまったシャンクスに、頬杖をついてどこか不貞腐れるシャンクスを見やった夢子はただただ不思議そうに目を瞬かせるのだった。
暫くして何事もなかったかのようにまた喋り出したシャンクスに、取りとめのない話しをしていた夢子はカラン、と鳴ったベルの音にこちらへとやってきたベックマンを見やると、壁にかけてあった時計へと視線を向けた。
「おい、シャンクスそろそろ時間だ」
「えー?まだ30分しか話してねぇぜ……?」
そう言って自分を見下ろしたベックマンに、そう抗議の声を上げたシャンクスはもっと夢子と話す~、とまるで子供が駄々をこねるようにそんなベックマンからフン、と顔を背けた。
「30分『も』時間が圧してんだっ!!さっさと動かねぇとその首に縄つけて引きずりまわすぞ!!」
「ヤだベンったら怖い♡」
相変わらずの性格の目の前の上司に、そう声を荒げたベックマンはそんな自分を見て茶目っ気たっぷりに頬に右手を添えたシャンクスを見やると、ピキリ、とその額に青筋を浮かべた。
「良いか、シャンクス……。今後一切夢子との接触を絶たれたくなきゃぁ今すぐそのソファーから立ちやがれっ……!!」
「あー……、シャンクスさん。また今度ゆっくり話しましょ?」
グシャリ、と握り潰された煙草に、今にも噴火しそうなベックマンを見やった夢子がそう堪らずシャンクスへと声をかけていた。
どこか少しだけ困ったように笑みを浮かべる夢子に、そんな夢子を見やったシャンクスは小さく溜息を吐きだすと2杯目の珈琲を飲み干しソファーから腰を上げた。
「しゃぁねぇなぁ………。おい、ベンさっさと行くぞ」
「っ~~~、誰のせいで時間圧してると思ってんだっ……!!」
そう言って時間がねぇ、とベックマンの肩を叩いたシャンクスはそう声を荒げ自分を睨みつけたベックマンを一瞥すると、苦笑を洩らす夢子へと視線を落した。
「じゃぁな、夢子!ゆっくりしてけ!」
そう言って快活な笑みを浮かべ伝票を手にさっさとその場を去っていくシャンクスに、小さく溜息を吐きだし自分へと後ろ手を振ったベックマンを見送った夢子は、相変わらずな関係の二人を見やると小さく苦笑を洩らしたのだった。
後ろへと流れて行く景色に、後部座席に座っていたシャンクスはその眉根に小さく皺を寄せるとなぁ、と車を運転するベックマンへと声をかけた。
「なんだ?」
「『不二野マルコ』と『夢子・夢野』はどういう関係だ……?」
そう、ひどく神妙な面持ちで自分へと声をかけてきたシャンクスに、ルームミラーに映るシャンクスの顔をチラリ、と見やったベックマンは咥えていた煙草の煙を吐きだすと赤に変わった信号にピタリ、と車を停車させた。
「………少し前のことだが、夢子が男2人にやられてた所をマルコが助けたらしい。随分と仲が良いみてぇだな」
「おっ、前っ……!!なんで『ソレ』を知ってて俺に報告しなかった……?!!」
そう言った自分に声を上げ前席へと身を乗り出したシャンクスに、青へと変わった信号に再び車を動かしたベックマンは引力で後ろへと倒れ込んだシャンクスを一瞥すると呆れたように小さく溜息を吐きだした。
「良いかシャンクス。例えどんなに夢子の事が大事だろうと、お前のやってる事ぁ犯罪一歩手前だ」
友人の近辺調査なんざ普通しねぇぞ、と咎めるように声を漏らしたベックマンにヴッと言葉を詰まらせたシャンクスはそんなベックマンからソッと視線を逸らすとイスへと座りなおした。
「今回の事も、マルコが夢子を助けた時点で解決してんだ。わざわざお前に報告する必要がなかった。それだけのことだ」
そう言って煙草の煙を吐きだしたベックマンに、そんなベックマンをチラリ、と伺い見たシャンクスは小さく息をつくと頬杖をつき、窓ガラスの向こうの景色へと視線を投げやった。
「夢子が………アイツのこと『マルコ』って呼んでたんだよ……。俺の事はシャンクス『さん』って呼んでんのに…………クロコダイルや他の奴らだって敬称付けて呼んでんだぜ……?」
なんでマルコだけ…、と小さく声を漏らしその眉間に皺を増やしたシャンクスに、そんなシャンクスをルームミラー越しに見やったベックマンは、こうなるから言わねぇでおいたのに…、と一度機嫌を損ねるとなかなかに面倒な社長に、そう小さく溜息を吐きだすと見えてきた会社に車のスピードを緩めた。
「一応は付き合ってはねぇらしいがな」
「っ!!だよなー!アイツは女の事になるとまるっきり疎いからなー!」
そうなけなしのようにかけた言葉は予想以上にシャンクスの気分を上昇させたらしく、そう言ってダッハッハ!と笑うシャンクスを見やったベックマンは、気はあるみてぇだぞ、と口から出掛けた言葉をグッと呑み込むと、そんなシャンクスから視線を逸らしふぅー、と紫煙を吐きだしたのだった。
密やかに想う
SSオマケ→
「それじゃぁまた企画書が出来次第コッチに資料を持ってこさせるよぃ」
そう言って腰かけていたイスから立ち上がったマルコに、鞄を手に帰り支度をするマルコをジッと見つめていたシャンクスはきっちりとスーツを着こなすマルコに、その眉根を顰めると深々と息を吐きだした。
「こんな頭が南国果実みてぇなヤツの何処が良いんだよ………」
「………あ?」
そう言って納得できねぇ、と小さく零しフン、とマルコから顔を背け長テーブルに頬杖をついたシャンクスに、突然暴言を吐きかけられたマルコはパチクリ、と目を瞬かせるとどこか不貞腐れるシャンクスを見やりその眉を怪訝そうに顰めさせた。
「今日はまた一段と機嫌が悪いみたいだねぃ」
「あー……、すまん。気にするな。少し虫の居所が悪いだけだ」
打ち合わせ中も終始その眉間に皺を寄せどこか自分を睨みつけるように見ていたシャンクスに、そう呆れた様に声を漏らしたマルコは、そう言って不貞腐れるシャンクスの頭を叩いたベックマンを見やると、小さく溜息を吐き出した。
「別にアンタの機嫌が悪かろうがなんだろうがコッチは仕事に支障がでなけりゃソレで構わねぇよぃ」
そう言ってシャンクスとベックマンへと会釈をしたマルコは未だ不貞腐れるシャンクスを一瞥すると会議室を出て行った。
パタン、と静かに閉じられた扉に、そんなマルコの背を横目に見ていたシャンクスはケッ、と気に食わなさそうに声を漏らすと再び頭に落ちてきた拳骨にグッと声を詰まらせた。
「いい加減にしねぇか、シャンクス。仕事に私情を持ちこむんじゃねぇよ」
「だってよベン!あのマルコの澄ました顔見たかよ?!!俺なんかこの間やっと久しぶりに夢子とメシ行けたってのに、アイツは飄々とした顔でこの後きっと夢子に会いに行くんだぜ?!」
そう言ってやってられるか!と声を上げ自分に批難の視線を向けてきたシャンクスに、最近一段と忙しくなった事業に休む暇なく働く目の前の社長を見やったベックマンは、流石に限界か…、と愚痴は零すが仕事はしっかりとこなすシャンクスに、それでもまるで子供が駄々をこねるように不貞腐れるシャンクスを見やるとほとほと困ったように溜息を吐きだし手にしていた煙草を灰皿へと押しつけた。
「しかたねぇな……今回のプロジェクトが終わったら、暫くはアンタの好きなように行動すりゃぁいい……」
「ホントか?!やっぱナシ、とか言うんじゃねぇぞ?!」
そう言ってヤッター!と子供さながらに喜ぶシャンクスに、きっと暇が出来れば即効夢子の元へと向かうであろう目の前の上司を見やったベックマンは三度溜息を吐きだすと、顔を綻ばせるシャンクスにひっそりと笑みを零したのだった。