夢小説内でのお名前の変更設定
第二十三話
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ドスドスと、どこか肩を怒らせ廊下を歩いていた夢子は向かい側からやって来た薬研を見やると、こちらに気づき手を振った薬研にその歩みを緩めさせた。
「よぉ、大将。どこの別嬪さんかと思ったぜ」
「や、薬研~~、大好きっ!!」
新しい学び舎の制服か、と自分の格好を見やりカラリ、と笑みを浮かべた薬研に当たり前のように自分の格好を褒めた初期鍛刀に、そう声を漏らした夢子はそんな薬研をギュッと抱きしめた。
「おうおう、どうした大将?俺っちも大好きだぜ」
「歌仙に見せたらはしたないって言われて……。歌仙があぁ言う性格なのは知ってたけど……なんか、こうっ、もっとこうっ……あったんじゃないっ?!!」
まったくも―!!と声を上げ項垂れる主に、そんな主の背をポンポン、と叩いた薬研は容易に想像できる二人のやり取りに小さく苦笑を漏らすとソレは歌仙の旦那が悪ぃな。と返し項垂れる主君の頭を撫でやった。
「ほれ大将、午後からは演練が入ってたんじゃねぇか?準備のほうは良いのか?」
「あ、うんこれから行くとこ」
そう言って諭すように声をかければそうだった、と自分から離れた主に、もう怒ってはいないのだろういつも通りの夢子を見やった薬研は同じ目線にある主君の顔を見やるとハタと目を瞬かせた。
「大将……随分背が伸びたんじゃねぇか?」
「え?あぁ、今153ぐらいだったかな?」
薬研と目線が一緒だね!と楽しげに笑みを浮かべる主に、出会った当初は自分の腰辺りぐらいの背だった目の前の少女のその成長に、あぁ…、と小さく声を漏らした薬研は笑みを浮かべる主を見やるとふと、その口元に笑みを浮かべた。
「じき俺っちも抜かされるなぁ……」
「目標は堀川君か骨喰ぐらいかなぁ」
そう言ってその頭を撫でやれば頑張る!と声を弾ませた主はやはり嬉しそうで、そう言ってそのまま自室へと向かった主の背を見送った薬研は、時折主の元へ行ってはこっそりとその身長を確かめ安堵している脇差組のことを思い出すとクツクツと喉を震わせた。
「人間は……成長が早いんだったな……」
いつかは必ず訪れるであろう最期の日に、遠ざかる主の背を見やりそうポツリと零した薬研はどこか寂しげに眉を下げると歩き出したのだった。
人と付喪神