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空蝉の春
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年に数回行われる審神者だけの立食会もとい親睦会に、夢子のお供として同伴していた歌仙は、どこか所在無さげに隅のテーブルに立つ主を見やると呆れた様に溜息を吐き出しそんな主の背をポン、と叩いていた。
「ほら、主シャンとしたまえ。この立食会ももう何度も来ているじゃないか」
「それは、そうだけど……、年の近い審神者さんはいないからさ……」
大人の輪に混ざるの勇気いるんだよ?とその眉を情けなく下げ自分を振り返った主に、その場に集まる各国の審神者を見やった歌仙は、主より十も二十も上であろう人間達ばかりのそこに一つ息を吐き出すと再び主へと視線を落とした。
「たしかに、君みたいに幼くして審神者になった子は珍しいけれど、君はもう審神者になって4年だろう?歳は他の者の方が上だろうけれどね、審神者としては君より下の者もいるんだ。年長者がそんなふうでどうするんだい。君には、他の者に恥ずかしくないくらいの知識も経験もあるだろう」
だから胸を張れ、と再び叩かれた背に、どこか厳しくもある歌仙のその言葉を聞いた夢子はけれどもその顔に優しげな笑みを浮かべる歌仙を見やると、でも…、と開きかけた口を閉じうん。と頷きその場に集まる審神者たちへと視線を向けた。
「情報交換も、審神者にとっては大切な仕事の一つだもんね」
「あぁ、流石僕の主だね、その意気だよ。じゃぁ僕は他の刀剣男士と少し話をしてくるから、君も他の審神者と話をしてくると良い」
そう言って頑張るぞ、と意気込むよう拳を握りしめた夢子はそんな自分を見やり、その頭をゆるりと撫でた歌仙に、そう言うとじゃぁ行ってくるよ。と自分の元を離れて行った歌仙の背を見送りひっそりと息を吐き出した。
いつまでも歌仙に心配はかけられないしな、といつもならば会合が終わるまで自分の傍から片時も離れようとはしなかったあの歌仙が席を外したことに、あまり表立っては言わないが人見知りの気のある歌仙が自ら他の刀剣の元へと向かったことにそう小さく零した夢子は、他本丸の燭台切と言葉を交わす歌仙を見やると自分も歩き出そうとして、なぁアンタ、と掛けられた声にいつの間にか自分の後ろに立っていた他国の審神者を振り返った。
「あ、はいっ、なんでしょう?」
「アンタ、豊前国の審神者だよな?」
そう声を掛けてきた男性に、その後ろに控える髭切をチラリ、と見やった夢子はそうですけど、と言葉を返すと、そんな自分を上から下まで見やりふーん、と声を漏らした男性からソッと視線を逸らした。
まるで値踏みをするようなその視線に、一体なんなんだろう…、と居心地が悪そうに顔を俯けさせていた夢子は再びなぁ、と掛けられた声に慌てた様に男性へと視線を戻した。
「鶴丸国永を顕現した豊前国の審神者ってのは、アンタなのか?」
「え……?は、はい、そう…ですけど……?」
「今日は来てねぇの?その“鶴丸国永”」
そう、どこか威圧感さえ漂わせる視線を自分へと向けてくる男性に、今日は非番で本丸に居る鶴丸にそう言葉を返した夢子はそう言って会場を見渡した男性を見やるとあぁ、と声を漏らし苦笑いを浮かべた。
「鶴丸さんは今日は近侍ではないんです。今日の近侍はあそこで燭台切光忠と話をしている歌仙兼定です」
「はぁ……?アンタレア刀を顕現させてんのにまだ初期刀なんかを近侍にしてんのかよ……」
そう言って折角のレア刀も宝の持ち腐れだろ、とあからさまに落胆するその男性を見やり困惑した表情を浮かべていた夢子は、あー、勿体ねぇ。と言って自分を見下ろした男性と目が合うと困ったように苦い笑みを浮かべてみせた。
「鶴さんは、まだ練度上げの途中で……
「鶯丸は?江雪左文字に一期一振は?大太刀だって三振りもいるんだろ?」
そう自分の言葉を遮るよう、本丸に居る刀剣達の名前を上げていく男性に、え…?と困惑したように声を漏らしていた夢子は、再び深い溜息を吐き出した男性を見やると怯えるよう小さく肩を震わせた。
「他国の審神者の間でも有名だぜ、アンタの事。10歳にして五条の鶴丸国永を顕現した、ってな。他にもレア刀わんさか持ってんだろ?だってのに近侍が初期刀~?レア刀使いこなせねぇなら俺らに譲れよ、なぁ?」
「つ、使いこなせてないわけじゃ……
「あ?なんだよ年下のくせに年上に口答えするのかよ?」
そう言ってお前が持ってても勿体ないだけだ、と一方的なその男性の言葉に反論しようとした夢子は再びそんな自分の言葉を遮り、自分を睨みつけた男性を見やると小さく肩を震わせ顔を俯けさせた。
審神者同士の刀剣交換も双方の同意があれば出来ると言葉にする男性に、そんなことをするつもりはない、と口を開きかけた夢子はちょっと良いかな?と掛けられた声に、また一人、初老の男性が自分の元へとやって来たのを見ると怯えるように後ずさりをした。
「君、本拠と審神者番号は?」
「は……?んだよ爺さん」
そう言ってポン、と肩を叩かれたのは自分ではなく男性のほうで、突然現れた初老の男性に鬱陶しそうに眉を顰めていた男性はもう一度聞かれた本拠と番号は?と言う問いに、どこか威圧感さえ感じさせるその瞳を見やると小さくたじろいだ。
「……武蔵国、4031番っすけど……」
「そうかい。わたしは相模国出身、番は1020。そして彼女は豊前国の出。番は君より古い2020だ。もう少し、目上に対する口の利き方を覚えた方が良いんじゃないだろうか?なぁ、君もそう思うだろう?源氏の重宝殿」
渋々、と言った感じに本拠と審神者番号を名乗った男性に、ふとその顔に笑みを浮かべてみせたその初老の男性はそう言うと、男性の近侍であろう髭切を見やると自分を見やりニコッと笑みを浮かべた髭切にことさらその笑みを深めさせた。
「んー、そうだね人間同士の礼節って僕にはよくわからないけど……とりあえず、その子が怯えてるのは確かだよね。ま、だからって僕が口出しすることじゃないと思ったから何も言わなかったけど。それに、気に入らなければ今度の演練で当たった時に互いがその実力を見せればいい事だしね」
そう言ってふふ、とどこか楽しげに笑った髭切に、ははは、それはいい!と同じように笑って返した初老の男性は、そんな自分を何かを言いたげに睨み付ける男性へと視線を戻すと、着物の袖口に手をしまった。
「審神者は“年功序列”がまかり通るほど優しくはないんだよ、武蔵国の方。それを、よく覚えておきなさい」
「っ………!!!クソ爺がっ……!!」
そう言ってさぁ行きなさい。とその顔から笑みを消した初老の男性に、グッと言葉を詰まらせた男性はそう吐き捨てるとその場を去って行ってしまい、それに口がなってないねぇ、と苦笑を漏らした男性は自分達の一連のやり取りを怖々と聞いていた夢子へと視線を落とした。
「大丈夫だったかい?」
「ぇっ?あっ……!!助けていただきありがとうございますっ!」
そう言ってその顔に柔和な笑みを浮かべた男性に、我に返った夢子は自分のことを助けてくれたのであろうその男性を見やると深々と頭を下げた。
「ははっ、君はしっかりしているね。あぁ、挨拶が遅れてすまない、わたしは相模国の審神者だ。皆には“翁”と呼ばれているんだ。どうぞよろしくね」
「豊前国の審神者です、こちらこそよろしくお願いします!」
先程とは打って変わってひどく温和な笑みを浮かべる目の前の審神者に、再び頭を下げた夢子はポンポン、と撫でられた頭に伺うように翁と名乗る男性を見やると困ったように視線を彷徨わせた。
「あ、あの……なんで見ず知らずの私を助けてくれたんですか……?」
「わたしもね、あの手の若者は苦手なんだよ。レア刀ばかりを集めることに執着して、本来の目的を忘れる審神者も少なくはない。確かに彼らは元は刀剣だろうが、曲がりなりにも“付喪神”なんだ。そんな彼らをあたかも自分の“所有物”のように扱うのは、どうにもねぇ……」
罰当たりな気がしてね、と苦笑いを浮かべる翁に、ハタと目を瞬かせていた夢子は、そんな自分を見やり笑みを浮かべた翁に不思議そうに小首を傾げた。
「君の近侍はあそこにいる歌仙兼定だろう?」
「え?なんで分かったんですか?」
そう言って少し離れた場所に居る歌仙を指差した翁にひどく驚いたような表情を浮かべた夢子は分るとも、とことさら楽しげにその笑みを深めた男性を見やるとキョトリと目を瞬かせた。
「君は、この会合に来るときは必ず彼を連れているだろう?さっきの彼ではないけれど、他にも沢山刀剣はいるはずなのに」
そう言ってふふっ、と笑った翁にあぁ、と納得したように声を漏らした夢子は少し離れた場所で今度はへし切長谷部と言葉を交わす歌仙を見やり、ふとその口元に笑みを浮かべた。
「どうして、と聞かれたらそんなに深い理由はないんです。ただの私の我儘なんです、初めて本丸に来てくれたのが歌仙だったから。何をするにしても、歌仙だったら安心できるだろうなって……、だからいつも会合があるときは歌仙が近侍なんです」
「他の者が異を唱えたりはしないのかい?」
「長谷部とかはやっぱり、自分も行きたいって言いますけど……それでも、長谷部を含めて皆『歌仙なら大丈夫だろう』って。その時だけは近侍を歌仙に替わるんです」
私が何も言わなくても、と苦笑を漏らす目の前の少女は、けれどもひどく嬉しそうで、よほどその初期刀のことを信頼しているのであろう少女やその本丸の刀剣達に、そうか、と同じように笑みを浮かべた翁は自分達に背を向ける歌仙を見やると、その主である少女へと視線を落とした。
「とても良い関係なんだね、君と歌仙君は」
「私にとって歌仙や本丸に居る刀剣は皆大切な家族なんです」
だから何があっても守らないと、と自分の近侍の背を見つめる少女の顔はひどく大人びて見えて、それを見やった翁はあぁ成程、と小さく声を漏らすとそんな自分を不思議そうに見上げた夢子にふと笑みを浮かべた。
「噂にたがわぬ力量の持ち主だね。君は、きっととても良い審神者になるよ」
「ウワサ……?」
「君は、我々審神者達の中でも随分と有名になっているよ。齢6歳で審神者に就任して、それ以後たった二振りの編成で演練に参加したり、鍛刀では太郎太刀、一期一振、石切丸に鶯丸、果てはあの鶴丸国永を顕現しているんだ。並みの審神者ではなかなかできないことだよ、もっと自信を持っても良い」
君は凄いよ、と笑って頭を撫でる翁に、演練にたった二振りで、という言葉ハタと目を瞬かせた夢子はその顔を真っ赤に染め上げると違いますっ!!と慌てた様に首を振った。
「え、演練に歌仙と薬研しか出てなかったのは私が鍛刀するのを嫌がってただけなんですっ……!!」
だから凄いのは私じゃなくて頑張ってた歌仙や薬研なんです!とどこか慌てた様に弁明する夢子に、ハタと目を瞬かせた翁は違うのかい?と小首を傾げた自分に違いますっ!と声を上げ必死な様子の少女を見やるとふはっ、とたまらず破顔した。
「はっはっはっはっ!!す、すまない、どうやら噂ばかりが先を行ってしまっていて私も少し君のことを勘違いしてしまっていたようだね。君は、本当は普通の女の子なんだねぇ」
刀剣が傷つくのを怖がるような、と言って自分を見下ろした翁に、ハタと目を瞬かせた夢子は優しい子だね、とその顔にまた柔和な笑みを浮かべた翁を見やるとどこか困ったように笑みを浮かべ、そんな翁からソッと視線を逸らした。
「それが、良いことなのか分からないんです。戦うために顕現した皆が傷つくのが怖くて、必要以上に戦には出したくなくて……ただ、自分は弱いだけなんじゃないかって……」
もっと強くいなきゃいけないんじゃないかって、と小さく零された言葉はその年の頃の少女が抱くものではなく、ちゃんと“審神者”としてその場に立っているのだろう少女を見やった翁は一つ瞬きを零すとその口元に笑みを浮かべ、そんな夢子の頭をゆるり、と撫でやった。
「たしかに審神者として心を強く持つのはとても大切なことだよ。けれどね、君の持つその感情は決して弱さなんかじゃない。共に在る者を慈しみ大切に想うその気持ちは、何物にも代えられない」
それが君の強さなんだよ。と自分の顔を覗き込む翁はひどく柔和な笑みを浮かべていて、それに呆けたように翁を見ていた夢子はそんな自分達の間に出来た壁にハタと目を瞬かせた。
「僕の主に何か用かな」
「歌仙!」
「おやおや、折角の男前が台無しだ」
そう言って自分を見下ろす歌仙兼定はひどく怖い顔つきをしており、自分の主をその背に庇い自分と対峙する彼女の近侍を見上げた翁は、ことさらその眉を顰めさせた歌仙を見やるとははっ、と楽しげに破顔した。
「僕の主に無体を働くというのならたとえ老人と言えど容赦はしないぞ」
「ち、違う歌仙待って!!翁さんは絡まれてた私を助けてくれたの!!」
そう言って刀の柄に手を掛けた歌仙に、慌てた様にそんな歌仙の腕を抱きストップの声を上げた夢子はえ…?とひどく呆けたように自分を見下ろした歌仙に小さく安堵の息を吐き出すと笑いをこらえる翁を見やり、歌仙の隣に歩み出た。
「ごめんなさい、翁さん歌仙が失礼なことを……。改めて紹介します、私の初期刀で近侍の歌仙兼定です」
「あぁ、いや……構わないよっ、初めまして歌仙兼定殿、わたしは相模国の審神者で“翁”と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言って自分へと深々と頭を下げた初老の男性に、苦笑いを浮かべる主と、柔和な笑みを浮かべるその翁と名乗った審神者を見やった歌仙は自分が勘違いをしていたことに気がつくと、慌てた様に柄から手を放し同じように翁へと一礼をしてみせた。
「こちらこそ、主君の恩人である方に無礼なことを……。この子のことを助けてくれて感謝するよ」
どうにも不逞な輩が集まりやすくてね、とひどくバツが悪そうに眉を下げた歌仙に、気にしないでおくれ、と言葉を返した翁はよほど主のことを大切にしているのだろう先ほどの歌仙の顔を思い出すとふと、その口元に笑みを浮かべた。
「若さというのは良いものだねぇ」
「「?」」
「主、そういうちゃちゃはじじいの悪い癖だぞ」
そう不意に聞こえてきた声に、不思議そうに自分を見やる二人からこちらへとやって来た刀剣男士を振り返った翁はあぁ、と声を漏らすと夢子達を振り返り、小さく苦笑を漏らした。
かたや不思議そうに自分の近侍を見やる審神者に、かたやその目を驚愕に見開く歌仙を見やった翁は自分の元までやって来た近侍を一瞥すると夢子達へと向き直った。
「紹介が遅れてすまなかったね、わたしの近侍で三日月宗近だ」
「三日月宗近という。俺の主がすまんな、どうにも年寄りは世話を焼くのが好きなようでな」
許してやってくれ、とはっはっは、と笑う刀剣男士はその主によく似て温和な雰囲気を醸し出しており、そんな三日月を見やり初めまして。と頭を下げた夢子は呆然とその場に佇む歌仙を見やると不思議そうに小首を傾げた。
「歌仙?どうしたの?」
「天下五剣の……三日月、宗近……と言うことは貴方があの歴戦の猛者と言われている審神者の“翁”なのかい……?!」
その場に現れた刀剣を見やり驚愕に目を見開く近侍に、何をそんなに驚いているんだろう?と小首を傾げていた夢子はそんな歌仙を見やりはっはっは、と楽しげに笑った翁に、不思議そうに翁を見やった。
「なに、噂話に勝手に尾ひれが付いただけさ。わたしはただの年老いた審神者にすぎん」
「だ、だが天下五剣を顕現出来た審神者は指折り数える程度だと……」
「それはほら、年の功と言うやつさ。四十余年審神者をやっていればたまにはこういう奇跡みたいなことも起こるさ。それに、じじいにはじじいがお似合いだろう?」
そう言ってはっはっは、と笑う翁に違いない、と笑う三日月はとても親しげで、仲が良いんだなぁ、とそんな二人を見ていた夢子は不意に自分へと視線を落とした三日月に小さく肩を震わせた。
「して、主よ。この少女 は知り合いか?」
「あぁ、ほら前に話しただろう?豊前国に幼い審神者が就任したと」
それがこの子だよ、とひどく楽しげに目の前の少女を紹介する主に、いつだったか話に上がったその人物にあぁ、と声を漏らした三日月は目の前の少女を暫しジッと見つめるとふと、その口元に弧を描いた。
「はっはっは、良きかな良きかな。将来が楽しみだなぁ、なぁ主」
「そうだろう?良い女性 になるだろう。それじゃぁ我々はそろそろお暇するとしよう。豊前のお嬢さん今度、演練であったときは是非とも手合わせ願おうか」
「あっ、はい!是非よろしくお願いします!」
そう楽しげに笑いポンポン、と自分の頭を撫でた三日月に、主君と同じようなことをする三日月を見やり苦笑を漏らしていた夢子は、自分を見やりそう言った翁に慌てた様に頭を下げるとじゃぁまたいつか。と自分達へと小さく会釈をし去っていく翁と三日月へと手を振ると、未だ呆けたように佇む歌仙を仰ぎ見た。
「歌仙、口が開いてるよ」
「だって君……“あの”三日月宗近だよっ?!!」
こんな機会もう二度とないだろう、と珍しくも興奮した様子の歌仙にそんなに凄い刀剣なの?と小首を傾げた夢子は当り前だろう!と声を上げた歌仙にビクリと肩を震わせた。
「天下五剣の中でも最も美しいと言われている刀だよ、彼は!!見たかい?!あの気品溢れる佇まいを!!あぁ、なんて雅な刀剣なんだろうね……」
そう言ってうっとりとした表情を浮かべる歌仙に、ヘェと返した夢子はその凄さがよく分かっていないのだろう不思議そうで、そんな主を見やった歌仙は呆れた様に溜息を吐き出すと遠ざかる三日月の背へと視線を向けた。
「この先二度と会えるとも分からない国宝だ。よぉくその目に焼き付けておくんだよ」
「国宝ならウチの長谷部だって国宝じゃん」
そう言って良い体験が出来た、とその顔を綻ばせる歌仙にははは、と笑った夢子は度合いが違う、とどこか不機嫌そうにそう言葉を返した歌仙を見やると小さく苦笑を漏らしたのだった。
天下五剣とその主
三日月宗近をリスペクトしている歌仙とか
「ほら、主シャンとしたまえ。この立食会ももう何度も来ているじゃないか」
「それは、そうだけど……、年の近い審神者さんはいないからさ……」
大人の輪に混ざるの勇気いるんだよ?とその眉を情けなく下げ自分を振り返った主に、その場に集まる各国の審神者を見やった歌仙は、主より十も二十も上であろう人間達ばかりのそこに一つ息を吐き出すと再び主へと視線を落とした。
「たしかに、君みたいに幼くして審神者になった子は珍しいけれど、君はもう審神者になって4年だろう?歳は他の者の方が上だろうけれどね、審神者としては君より下の者もいるんだ。年長者がそんなふうでどうするんだい。君には、他の者に恥ずかしくないくらいの知識も経験もあるだろう」
だから胸を張れ、と再び叩かれた背に、どこか厳しくもある歌仙のその言葉を聞いた夢子はけれどもその顔に優しげな笑みを浮かべる歌仙を見やると、でも…、と開きかけた口を閉じうん。と頷きその場に集まる審神者たちへと視線を向けた。
「情報交換も、審神者にとっては大切な仕事の一つだもんね」
「あぁ、流石僕の主だね、その意気だよ。じゃぁ僕は他の刀剣男士と少し話をしてくるから、君も他の審神者と話をしてくると良い」
そう言って頑張るぞ、と意気込むよう拳を握りしめた夢子はそんな自分を見やり、その頭をゆるりと撫でた歌仙に、そう言うとじゃぁ行ってくるよ。と自分の元を離れて行った歌仙の背を見送りひっそりと息を吐き出した。
いつまでも歌仙に心配はかけられないしな、といつもならば会合が終わるまで自分の傍から片時も離れようとはしなかったあの歌仙が席を外したことに、あまり表立っては言わないが人見知りの気のある歌仙が自ら他の刀剣の元へと向かったことにそう小さく零した夢子は、他本丸の燭台切と言葉を交わす歌仙を見やると自分も歩き出そうとして、なぁアンタ、と掛けられた声にいつの間にか自分の後ろに立っていた他国の審神者を振り返った。
「あ、はいっ、なんでしょう?」
「アンタ、豊前国の審神者だよな?」
そう声を掛けてきた男性に、その後ろに控える髭切をチラリ、と見やった夢子はそうですけど、と言葉を返すと、そんな自分を上から下まで見やりふーん、と声を漏らした男性からソッと視線を逸らした。
まるで値踏みをするようなその視線に、一体なんなんだろう…、と居心地が悪そうに顔を俯けさせていた夢子は再びなぁ、と掛けられた声に慌てた様に男性へと視線を戻した。
「鶴丸国永を顕現した豊前国の審神者ってのは、アンタなのか?」
「え……?は、はい、そう…ですけど……?」
「今日は来てねぇの?その“鶴丸国永”」
そう、どこか威圧感さえ漂わせる視線を自分へと向けてくる男性に、今日は非番で本丸に居る鶴丸にそう言葉を返した夢子はそう言って会場を見渡した男性を見やるとあぁ、と声を漏らし苦笑いを浮かべた。
「鶴丸さんは今日は近侍ではないんです。今日の近侍はあそこで燭台切光忠と話をしている歌仙兼定です」
「はぁ……?アンタレア刀を顕現させてんのにまだ初期刀なんかを近侍にしてんのかよ……」
そう言って折角のレア刀も宝の持ち腐れだろ、とあからさまに落胆するその男性を見やり困惑した表情を浮かべていた夢子は、あー、勿体ねぇ。と言って自分を見下ろした男性と目が合うと困ったように苦い笑みを浮かべてみせた。
「鶴さんは、まだ練度上げの途中で……
「鶯丸は?江雪左文字に一期一振は?大太刀だって三振りもいるんだろ?」
そう自分の言葉を遮るよう、本丸に居る刀剣達の名前を上げていく男性に、え…?と困惑したように声を漏らしていた夢子は、再び深い溜息を吐き出した男性を見やると怯えるよう小さく肩を震わせた。
「他国の審神者の間でも有名だぜ、アンタの事。10歳にして五条の鶴丸国永を顕現した、ってな。他にもレア刀わんさか持ってんだろ?だってのに近侍が初期刀~?レア刀使いこなせねぇなら俺らに譲れよ、なぁ?」
「つ、使いこなせてないわけじゃ……
「あ?なんだよ年下のくせに年上に口答えするのかよ?」
そう言ってお前が持ってても勿体ないだけだ、と一方的なその男性の言葉に反論しようとした夢子は再びそんな自分の言葉を遮り、自分を睨みつけた男性を見やると小さく肩を震わせ顔を俯けさせた。
審神者同士の刀剣交換も双方の同意があれば出来ると言葉にする男性に、そんなことをするつもりはない、と口を開きかけた夢子はちょっと良いかな?と掛けられた声に、また一人、初老の男性が自分の元へとやって来たのを見ると怯えるように後ずさりをした。
「君、本拠と審神者番号は?」
「は……?んだよ爺さん」
そう言ってポン、と肩を叩かれたのは自分ではなく男性のほうで、突然現れた初老の男性に鬱陶しそうに眉を顰めていた男性はもう一度聞かれた本拠と番号は?と言う問いに、どこか威圧感さえ感じさせるその瞳を見やると小さくたじろいだ。
「……武蔵国、4031番っすけど……」
「そうかい。わたしは相模国出身、番は1020。そして彼女は豊前国の出。番は君より古い2020だ。もう少し、目上に対する口の利き方を覚えた方が良いんじゃないだろうか?なぁ、君もそう思うだろう?源氏の重宝殿」
渋々、と言った感じに本拠と審神者番号を名乗った男性に、ふとその顔に笑みを浮かべてみせたその初老の男性はそう言うと、男性の近侍であろう髭切を見やると自分を見やりニコッと笑みを浮かべた髭切にことさらその笑みを深めさせた。
「んー、そうだね人間同士の礼節って僕にはよくわからないけど……とりあえず、その子が怯えてるのは確かだよね。ま、だからって僕が口出しすることじゃないと思ったから何も言わなかったけど。それに、気に入らなければ今度の演練で当たった時に互いがその実力を見せればいい事だしね」
そう言ってふふ、とどこか楽しげに笑った髭切に、ははは、それはいい!と同じように笑って返した初老の男性は、そんな自分を何かを言いたげに睨み付ける男性へと視線を戻すと、着物の袖口に手をしまった。
「審神者は“年功序列”がまかり通るほど優しくはないんだよ、武蔵国の方。それを、よく覚えておきなさい」
「っ………!!!クソ爺がっ……!!」
そう言ってさぁ行きなさい。とその顔から笑みを消した初老の男性に、グッと言葉を詰まらせた男性はそう吐き捨てるとその場を去って行ってしまい、それに口がなってないねぇ、と苦笑を漏らした男性は自分達の一連のやり取りを怖々と聞いていた夢子へと視線を落とした。
「大丈夫だったかい?」
「ぇっ?あっ……!!助けていただきありがとうございますっ!」
そう言ってその顔に柔和な笑みを浮かべた男性に、我に返った夢子は自分のことを助けてくれたのであろうその男性を見やると深々と頭を下げた。
「ははっ、君はしっかりしているね。あぁ、挨拶が遅れてすまない、わたしは相模国の審神者だ。皆には“翁”と呼ばれているんだ。どうぞよろしくね」
「豊前国の審神者です、こちらこそよろしくお願いします!」
先程とは打って変わってひどく温和な笑みを浮かべる目の前の審神者に、再び頭を下げた夢子はポンポン、と撫でられた頭に伺うように翁と名乗る男性を見やると困ったように視線を彷徨わせた。
「あ、あの……なんで見ず知らずの私を助けてくれたんですか……?」
「わたしもね、あの手の若者は苦手なんだよ。レア刀ばかりを集めることに執着して、本来の目的を忘れる審神者も少なくはない。確かに彼らは元は刀剣だろうが、曲がりなりにも“付喪神”なんだ。そんな彼らをあたかも自分の“所有物”のように扱うのは、どうにもねぇ……」
罰当たりな気がしてね、と苦笑いを浮かべる翁に、ハタと目を瞬かせていた夢子は、そんな自分を見やり笑みを浮かべた翁に不思議そうに小首を傾げた。
「君の近侍はあそこにいる歌仙兼定だろう?」
「え?なんで分かったんですか?」
そう言って少し離れた場所に居る歌仙を指差した翁にひどく驚いたような表情を浮かべた夢子は分るとも、とことさら楽しげにその笑みを深めた男性を見やるとキョトリと目を瞬かせた。
「君は、この会合に来るときは必ず彼を連れているだろう?さっきの彼ではないけれど、他にも沢山刀剣はいるはずなのに」
そう言ってふふっ、と笑った翁にあぁ、と納得したように声を漏らした夢子は少し離れた場所で今度はへし切長谷部と言葉を交わす歌仙を見やり、ふとその口元に笑みを浮かべた。
「どうして、と聞かれたらそんなに深い理由はないんです。ただの私の我儘なんです、初めて本丸に来てくれたのが歌仙だったから。何をするにしても、歌仙だったら安心できるだろうなって……、だからいつも会合があるときは歌仙が近侍なんです」
「他の者が異を唱えたりはしないのかい?」
「長谷部とかはやっぱり、自分も行きたいって言いますけど……それでも、長谷部を含めて皆『歌仙なら大丈夫だろう』って。その時だけは近侍を歌仙に替わるんです」
私が何も言わなくても、と苦笑を漏らす目の前の少女は、けれどもひどく嬉しそうで、よほどその初期刀のことを信頼しているのであろう少女やその本丸の刀剣達に、そうか、と同じように笑みを浮かべた翁は自分達に背を向ける歌仙を見やると、その主である少女へと視線を落とした。
「とても良い関係なんだね、君と歌仙君は」
「私にとって歌仙や本丸に居る刀剣は皆大切な家族なんです」
だから何があっても守らないと、と自分の近侍の背を見つめる少女の顔はひどく大人びて見えて、それを見やった翁はあぁ成程、と小さく声を漏らすとそんな自分を不思議そうに見上げた夢子にふと笑みを浮かべた。
「噂にたがわぬ力量の持ち主だね。君は、きっととても良い審神者になるよ」
「ウワサ……?」
「君は、我々審神者達の中でも随分と有名になっているよ。齢6歳で審神者に就任して、それ以後たった二振りの編成で演練に参加したり、鍛刀では太郎太刀、一期一振、石切丸に鶯丸、果てはあの鶴丸国永を顕現しているんだ。並みの審神者ではなかなかできないことだよ、もっと自信を持っても良い」
君は凄いよ、と笑って頭を撫でる翁に、演練にたった二振りで、という言葉ハタと目を瞬かせた夢子はその顔を真っ赤に染め上げると違いますっ!!と慌てた様に首を振った。
「え、演練に歌仙と薬研しか出てなかったのは私が鍛刀するのを嫌がってただけなんですっ……!!」
だから凄いのは私じゃなくて頑張ってた歌仙や薬研なんです!とどこか慌てた様に弁明する夢子に、ハタと目を瞬かせた翁は違うのかい?と小首を傾げた自分に違いますっ!と声を上げ必死な様子の少女を見やるとふはっ、とたまらず破顔した。
「はっはっはっはっ!!す、すまない、どうやら噂ばかりが先を行ってしまっていて私も少し君のことを勘違いしてしまっていたようだね。君は、本当は普通の女の子なんだねぇ」
刀剣が傷つくのを怖がるような、と言って自分を見下ろした翁に、ハタと目を瞬かせた夢子は優しい子だね、とその顔にまた柔和な笑みを浮かべた翁を見やるとどこか困ったように笑みを浮かべ、そんな翁からソッと視線を逸らした。
「それが、良いことなのか分からないんです。戦うために顕現した皆が傷つくのが怖くて、必要以上に戦には出したくなくて……ただ、自分は弱いだけなんじゃないかって……」
もっと強くいなきゃいけないんじゃないかって、と小さく零された言葉はその年の頃の少女が抱くものではなく、ちゃんと“審神者”としてその場に立っているのだろう少女を見やった翁は一つ瞬きを零すとその口元に笑みを浮かべ、そんな夢子の頭をゆるり、と撫でやった。
「たしかに審神者として心を強く持つのはとても大切なことだよ。けれどね、君の持つその感情は決して弱さなんかじゃない。共に在る者を慈しみ大切に想うその気持ちは、何物にも代えられない」
それが君の強さなんだよ。と自分の顔を覗き込む翁はひどく柔和な笑みを浮かべていて、それに呆けたように翁を見ていた夢子はそんな自分達の間に出来た壁にハタと目を瞬かせた。
「僕の主に何か用かな」
「歌仙!」
「おやおや、折角の男前が台無しだ」
そう言って自分を見下ろす歌仙兼定はひどく怖い顔つきをしており、自分の主をその背に庇い自分と対峙する彼女の近侍を見上げた翁は、ことさらその眉を顰めさせた歌仙を見やるとははっ、と楽しげに破顔した。
「僕の主に無体を働くというのならたとえ老人と言えど容赦はしないぞ」
「ち、違う歌仙待って!!翁さんは絡まれてた私を助けてくれたの!!」
そう言って刀の柄に手を掛けた歌仙に、慌てた様にそんな歌仙の腕を抱きストップの声を上げた夢子はえ…?とひどく呆けたように自分を見下ろした歌仙に小さく安堵の息を吐き出すと笑いをこらえる翁を見やり、歌仙の隣に歩み出た。
「ごめんなさい、翁さん歌仙が失礼なことを……。改めて紹介します、私の初期刀で近侍の歌仙兼定です」
「あぁ、いや……構わないよっ、初めまして歌仙兼定殿、わたしは相模国の審神者で“翁”と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言って自分へと深々と頭を下げた初老の男性に、苦笑いを浮かべる主と、柔和な笑みを浮かべるその翁と名乗った審神者を見やった歌仙は自分が勘違いをしていたことに気がつくと、慌てた様に柄から手を放し同じように翁へと一礼をしてみせた。
「こちらこそ、主君の恩人である方に無礼なことを……。この子のことを助けてくれて感謝するよ」
どうにも不逞な輩が集まりやすくてね、とひどくバツが悪そうに眉を下げた歌仙に、気にしないでおくれ、と言葉を返した翁はよほど主のことを大切にしているのだろう先ほどの歌仙の顔を思い出すとふと、その口元に笑みを浮かべた。
「若さというのは良いものだねぇ」
「「?」」
「主、そういうちゃちゃはじじいの悪い癖だぞ」
そう不意に聞こえてきた声に、不思議そうに自分を見やる二人からこちらへとやって来た刀剣男士を振り返った翁はあぁ、と声を漏らすと夢子達を振り返り、小さく苦笑を漏らした。
かたや不思議そうに自分の近侍を見やる審神者に、かたやその目を驚愕に見開く歌仙を見やった翁は自分の元までやって来た近侍を一瞥すると夢子達へと向き直った。
「紹介が遅れてすまなかったね、わたしの近侍で三日月宗近だ」
「三日月宗近という。俺の主がすまんな、どうにも年寄りは世話を焼くのが好きなようでな」
許してやってくれ、とはっはっは、と笑う刀剣男士はその主によく似て温和な雰囲気を醸し出しており、そんな三日月を見やり初めまして。と頭を下げた夢子は呆然とその場に佇む歌仙を見やると不思議そうに小首を傾げた。
「歌仙?どうしたの?」
「天下五剣の……三日月、宗近……と言うことは貴方があの歴戦の猛者と言われている審神者の“翁”なのかい……?!」
その場に現れた刀剣を見やり驚愕に目を見開く近侍に、何をそんなに驚いているんだろう?と小首を傾げていた夢子はそんな歌仙を見やりはっはっは、と楽しげに笑った翁に、不思議そうに翁を見やった。
「なに、噂話に勝手に尾ひれが付いただけさ。わたしはただの年老いた審神者にすぎん」
「だ、だが天下五剣を顕現出来た審神者は指折り数える程度だと……」
「それはほら、年の功と言うやつさ。四十余年審神者をやっていればたまにはこういう奇跡みたいなことも起こるさ。それに、じじいにはじじいがお似合いだろう?」
そう言ってはっはっは、と笑う翁に違いない、と笑う三日月はとても親しげで、仲が良いんだなぁ、とそんな二人を見ていた夢子は不意に自分へと視線を落とした三日月に小さく肩を震わせた。
「して、主よ。この
「あぁ、ほら前に話しただろう?豊前国に幼い審神者が就任したと」
それがこの子だよ、とひどく楽しげに目の前の少女を紹介する主に、いつだったか話に上がったその人物にあぁ、と声を漏らした三日月は目の前の少女を暫しジッと見つめるとふと、その口元に弧を描いた。
「はっはっは、良きかな良きかな。将来が楽しみだなぁ、なぁ主」
「そうだろう?良い
「あっ、はい!是非よろしくお願いします!」
そう楽しげに笑いポンポン、と自分の頭を撫でた三日月に、主君と同じようなことをする三日月を見やり苦笑を漏らしていた夢子は、自分を見やりそう言った翁に慌てた様に頭を下げるとじゃぁまたいつか。と自分達へと小さく会釈をし去っていく翁と三日月へと手を振ると、未だ呆けたように佇む歌仙を仰ぎ見た。
「歌仙、口が開いてるよ」
「だって君……“あの”三日月宗近だよっ?!!」
こんな機会もう二度とないだろう、と珍しくも興奮した様子の歌仙にそんなに凄い刀剣なの?と小首を傾げた夢子は当り前だろう!と声を上げた歌仙にビクリと肩を震わせた。
「天下五剣の中でも最も美しいと言われている刀だよ、彼は!!見たかい?!あの気品溢れる佇まいを!!あぁ、なんて雅な刀剣なんだろうね……」
そう言ってうっとりとした表情を浮かべる歌仙に、ヘェと返した夢子はその凄さがよく分かっていないのだろう不思議そうで、そんな主を見やった歌仙は呆れた様に溜息を吐き出すと遠ざかる三日月の背へと視線を向けた。
「この先二度と会えるとも分からない国宝だ。よぉくその目に焼き付けておくんだよ」
「国宝ならウチの長谷部だって国宝じゃん」
そう言って良い体験が出来た、とその顔を綻ばせる歌仙にははは、と笑った夢子は度合いが違う、とどこか不機嫌そうにそう言葉を返した歌仙を見やると小さく苦笑を漏らしたのだった。
天下五剣とその主
三日月宗近をリスペクトしている歌仙とか