プロローグ
夢主設定
夢主について木更津 夢香
(容姿について)
腰まである青いストレートヘア
瞳孔は赤く、黄色い瞳
身長157cm
体重秘密(とても細い)
(特徴、性質)
何でもソツなくこなせるが、ロングスリーパー故に授業中も練習中もよく寝ているため周りからの印象はあまりよくない
驚異的な記憶力を持っている
睡眠時間が少ないとラフプレーをするようになる
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試合中止を告げるホイッスルが鳴る
観客席から響くブーイング
そこかしこに倒れている相手チームの選手達
それを見て呆然とするチームメイト
……だから言ったんだ
今日の私は試合に出るべきじゃないと
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朝、起きた私はすぐに鏡で自分の顔を確認すると、一段と目の下のクマが酷いことに気付く。
今日もあまりよく眠れなかったようだ。
顔を洗い、タオルをお湯で温め、血行をよくしようと目にかけてタオルの上からマッサージをする。
「うあー……」
冷えた瞼に温かさがしみる。
椅子に座りぼんやりと上を向いていたら扉をノックする音が部屋に響いた。
「木更津さん、起きてる?」
サッカー日本代表マネージャーの秋ちゃんが起こしに来たらしい。
「起きてるよー、ドアも空いてるー。」
返事をしてすぐに扉が開く音がした。
「鍵かけてないのは不用心だと思うけど……」
苦笑いをしながら入ってきた秋ちゃんに叱られた。
「家だったら鍵かけてるよ」
そう、ここは家ではない。
日本代表の合宿所である。
「女の子なんだから、念には念を入れておかないと」
「ははっ、私のこと女として見る奴いたら逆にすげーわ」
私は日本代表に所属する選手だ。
体が細くて少し背が低い点を抜けば、男に匹敵するレベルと言えるのかもしれない。
「そう?木更津さん、綺麗な顔してるのに」
きょとん、と目を丸くして心底意外だという表情で呟く。
「秋ちゃんに言われると恥ずかしいんだよね。で、要件は?」
苦笑いで返すと、秋ちゃんはハッとしたような顔で
「朝ご飯出来たから呼びに来たの」
と笑う。
「そっか、ご飯か……うーん、要らないや。出発ギリギリまで寝る……」
少し悩むが、別にお腹は空いてないし眠いしでまたベッドに横になる。
「今日は試合だよ!?食べないと」
ベッドの横に膝を曲げてしゃがんで、私の顔を覗き込む。
「今日は試合出たくないなー」
顔を背けるために秋ちゃんがいない方に寝返りを打つ。
「もう……一応監督にはその意思も伝えておくけど……せめてご飯、おにぎりだけでも食べよう?」
「んぅー」
私は曖昧に返事をして眠りに落ちた。
1時間後、周りが騒がしいので目が覚めた。
体を起こすと
「おっ、起きたな!」
「ほぼ無呼吸だったから死んでるかと思ったぞ」
円堂、鬼道が声をかけながら顔を覗き込んでくる
「待て、何でお前ら入って来てんだ」
「みんな集まったのにスタメンのはずの夢香チャンだけ呑気に寝てりゃァこうなるよねェ」
不動が壁にもたれかかって腕を組みながらニヤリと笑う。
「お前は起こしに来たのかそれとも嫌味を言いに来たのかどっちだ」
「見物」
どっちでもないのかよ。
「つか、私スタメンなの?」
鬼道と円堂に目を向ける。
「あぁ、朝のミーティングで決まった」
鬼道が頷きながら微笑む。
「寝不足だから出たくないんだけど」
布団にくるまったままゴロゴロと転がる。
「ワガママ言うなよ」
これは不動だ。
ワガママ……か……まぁそう見えるか。
「あー、わかった、じゃあ着替えるわ」
ベッドから出てすぐにパジャマを脱ぐ。
鬼道と円堂は慌てて外に出て行ったが不動はまじまじと私の体を眺めている。
「出ていかねーの?」
二人と対照的で不思議に思った私は問いかけた。
「その体でよくサッカーやれんなァ」
とんちんかんな答えが返ってきた。観察してた理由だろうか。
確かに私の体は細い。多分他の子よりずっと細い。そして傷だらけだ。そう思うのも無理はないな。
「……傷、変?」
「そっちじゃねーよ、細すぎんだよ。どうやってあんな力出してんだかわかんねェ。さっさと服着ろよ、遅れんぞ」
ふいっとそっぽを向いてしまう不動。
シャツを着て、ユニフォームを着て、上からジャージを羽織る。
「これでよし」
「みんなグラウンドで待ってっから走れよ」
「はいはい」
「これで俺まで遅れたらシャレになんねぇ」
不動の方が足は早いはずなのに、私の横でペースを合わせてくれる。
不動との関係はただのチームメイトではない。
小さい頃からの腐れ縁ってやつだ。
お互いの傷を知ってる。他の誰も信じられず、仲良くもできず、気付けばお互いがお互いに依存していた。恋人なんてものじゃない。恋愛感情なんてない。言わば飼い主と猫のような、そんな感じだと私は思っている。
「遅い」
グラウンドについてすぐ、監督から叱られた。
「すんませー」
不動は軽いノリで返す
「あの、監督。スタメンが私って本当ですか」
「あぁ、決定事項だ」
「変えられませんか」
「無理だ」
「今日は、今日は本当に出られないんです」
「ダメだ」
「……わかりました」
大人しく試合に出た私は……相手チームの選手を薙ぎ倒した。
いくらでもファウルギリギリのラフプレーをする。
泣き、咳き込み、苦しむ相手チームの選手と、呆然と見つめるチームメイトを見て、私が思ったことはただ一つ
『……ほら見たことか。』