出会い編(前)
特にここを志望した理由もない。ただ父が失踪したらしく先生方が身寄りを探した結果がこれ。母もあの日感情のまま私を置いていって失踪。幸いにも父方のおばさんがうちに住まわしてくれた。一気に両親を亡くし(?)一人悲しんでいた日々から漸く解放されると思いきやこれ。私に平凡な日々はもう二度と訪れないのかなぁ。
憂鬱な気分のまま一週間後には学生として、理事長代理として過ごすここ、星ノ木学園に来てしまった。多分先生方は私の感情など置いてけぼりにして学園存続の為に奔走しているのだろう。同級生のこととか何も聞いてない。……お先真っ暗。
ふと校庭に目を向けるとサッカー部の練習試合が行われていた。父もサッカー好きだったなぁ、って懐かしんでる場合では無いのだが。少し試合を見ることにした。
横の学生さんは新入生かなぁ。両目をキラキラさせて試合を見ていた。一週間後には同じクラスかもしれない。あまりに隣の彼を見すぎてもう会議の時間が迫っていた。ちらっと試合に目をやり、すぐ向かおうとした。すると、隣の彼がこっちを向いた。
「初めまして、君も一年生?」
しばらく時が止まった気がした。
「うん、訳あって」
訳あって、なんて蛇足だったかも。しかし彼はお構い無しに言った。
「そうなんだ、4月からよろしくね!同じクラスかもしれないし!」
そう言って彼はまた試合に目を戻し、私は会議に急いだ。
憂鬱な気分のまま一週間後には学生として、理事長代理として過ごすここ、星ノ木学園に来てしまった。多分先生方は私の感情など置いてけぼりにして学園存続の為に奔走しているのだろう。同級生のこととか何も聞いてない。……お先真っ暗。
ふと校庭に目を向けるとサッカー部の練習試合が行われていた。父もサッカー好きだったなぁ、って懐かしんでる場合では無いのだが。少し試合を見ることにした。
横の学生さんは新入生かなぁ。両目をキラキラさせて試合を見ていた。一週間後には同じクラスかもしれない。あまりに隣の彼を見すぎてもう会議の時間が迫っていた。ちらっと試合に目をやり、すぐ向かおうとした。すると、隣の彼がこっちを向いた。
「初めまして、君も一年生?」
しばらく時が止まった気がした。
「うん、訳あって」
訳あって、なんて蛇足だったかも。しかし彼はお構い無しに言った。
「そうなんだ、4月からよろしくね!同じクラスかもしれないし!」
そう言って彼はまた試合に目を戻し、私は会議に急いだ。
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