一年目
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「窓を割ったのはお前か?」
「いや、五条くんです」
悟!と夜蛾先生の怒号が響く。
高専生活が始まってまだ一ヶ月も経っていないと言うのに、このパターンにはもう慣れつつあった。
つい最近まで、三十数人程度のクラスメイトと学校生活を送っていたのが嘘のようだ。
今の私の同級生は、私を除いて三人。
一人は今先生から拳骨をくらった、五条悟。
唯一の同性、家入硝子。
「また悟が弦月さんにちょっかいかけたのか」
教室の扉から呆れ顔を覗かせた男、夏油傑。
なんでも、倉庫の中から見つけたバットとボールで野球をしようとしていたらしい。
そしたら窓に当たって割れてしまい、五条くんが私に罪を擦り付けた。
残念ながら、「今まで問題を起こしてきたやんちゃ坊主」と「問題なく任務をこなしてきた大人しい女子」なら、圧倒的に後者を信じるだろう。
馬鹿め、と声に出したら絞められそうな悪態を心の中でこっそりとつく。
頭にたんこぶをつくった五条くんが席に座ると、夜蛾先生が喋りだした。
「今度の任務はお前たち四人で行ってもらう」
ゲッ……と効果音がしそうな顔に四人同時になった。
どう足掻いても面倒臭いに決まっている。
別に群れるのは嫌いじゃないが、嫌な奴と群れるのは嫌いだ。
「俺、こんなポンコツと一緒なんて嫌なんだけど」
五条の指が私を指した。
そう、私は強くない。
肩書きこそ準一級呪術師だが、とある事情のために上層部が仕組んだせいこうなっているのであって、本来なら三級程度。
原因は、隣で五条くんを咎めている夏油くんである。