オリジナル①
夢小説設定
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教室の空気は、新学期の匂いがした。
窓の外では桜がまだ咲いていて、誰かが笑って、誰かが緊張している。
新しい制服に袖を通すのは二度目なのに、心は去年より落ち着かない。
「転校生、来るんだって」
前の席の美羽が、小声で囁く。
私はただ頷くだけ。正直、転校生なんてどうでもよかった。
先生の「紹介します」という声と同時に、教室の空気が少しだけ変わるのがわかった。
まるで誰かが窓を開けたみたいに、春が一段階、濃くなった感じ。
「初めまして、藤代 澪(ふじしろ みお)です。よろしくお願いします」
彼女は静かに頭を下げた。
あまりにも淡く、でも強く、美しい声だった。
その瞬間、私は呼吸を忘れた。 目が離せなかった。
形の良いまつげ、少し不安そうな瞳、落ち着いた立ち姿。
…あ。
自分の鼓動が、耳の奥で大きく鳴った。
「じゃあ、藤代さんは……ああ、宮坂の隣、空いてたな」
先生の指先が、私を指していた。
確かに私の隣の窓際の席は空いている。
え?と思う間もなく、彼女が私の方を見た。
ほんの一瞬、目が合った。
それだけで、春がもう少し好きになった。
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