好奇心は猫をも殺す
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は跡部景吾が好きである。
氷帝学園中等部三年、生徒会会長でありながらテニス部の部長を務め、全生徒の名前と顔を覚えているだの、かの跡部財閥の御子息だの、成績優秀、品行方正、文武両道、まさに神に選ばれたような男だ。
生徒からの、特に女生徒からの支持は高いどころか天元突破の勢いで、バレンタインデーには机が埋まって見えなくなるほどのチョコをもらい、なおかつそれを当然のように思っている節がある。勿論男子生徒からの支持も高く、彼の人並み外れた求心力はもはや止まるところを知らないというか、もう氷帝学園は跡部王国ってことでいいんじゃないかな(遠い目)。
顔、頭、金と三拍子どころか体や地位に人脈に、いったい何者なんだと疑ってしまいそうになるこの男、乙女ゲームには必ず一人は出てきそうなほどのいわゆる王道の俺様系キャラであるが、実際側から見る立場になってみると、格好いいとかお近付きになりたいとかそんなことを考えるよりまず先に思うのが関わりたくないなのはどうかと思う。いや、最初に書いた通り私は跡部景吾が好きだ。好きだとも。そこは間違いなく言える。本人を前にして言えるかと言われると流石に首を振らざるを得ないが、とにかく私はちゃんと跡部景吾という男に対して好意を抱いている。
それはさておき、関わりたくないのである。私の存在を知って欲しくないとも言える。夢見る少女のように、もしかしたら見初められるかもしれない、数多くの人間から自分が選ばれるかもしれない、なんて儚い夢を抱き生きていくなんてことは私にはできないのである。私のクラスにもそういう思い込みの激しい女の子は何人かいるようだが、彼女らがどうしてそんな思考に至ったのか、